忸怩たる思い

アエラのデジタル版で太陽光発電に対する批判記事がありました(太陽光発電、年間2.4兆円の国民負担も・・・コスパが悪すぎる実態)。言っていることは判らないではありませんが、記事の中身は自分たちの主張に都合の良い意見をつなぎ合わせただけで、全体的に俯瞰したものではないため、かなり残念な記事という印象が強いです。

朝日コスパ

最近の太陽光発電はあちらこちらで問題を起こし問題になっていますが、その原因が太陽光発電そのものではないことはもちろん、再生可能エネルギー法でもFIT法でもないと私は思っています。ただ、最初のFITの太陽光発電価格(40円/kWh)が高すぎたことは確かです。

 

あの頃、私は買取り価格は30円ぐらいかなと思っていました。しかし、高値買取りの声が高まってくるのを見て35-36円ぐらいまで行くかなと思いました。それが40円ですからね。高すぎると思いましたよ。当時の太陽光発電の専門家の中には、私と同じように感じていた人はずいぶん多かったと思います。太陽光の専門であるほど、そのように感じたのではないかと思います。

 

太陽光発電の買取り価格が高く決められた背景にはJPEAの存在が大きかったと思います。孫正義のせいだという人も多いですが、私はJPEAの影響が大きかったと思います。JPEAに力があった訳でなく、JPEAはとにかく強いものに靡こうとする体質なので、当時の高値買取り推進派に靡き、エネ庁のヒアリングに対して買取り価格40円を提唱しました。

 

JPEAの主張の中には、「IRR (Internal Return Ratio: 利益率のようなもの) を6%ぐらいにしないと太陽光発電の普及促進は図れない」というものがありました。IRR6%でも高いのに、その計算根拠が甘々の積算ですからね。その結果、簡単に利益率10%ぐらいの発電所を作ることができ、目敏くそれに気が付いたブローカーのような連中が大挙してこの世界に押し寄せてきました。問題のある発電所を作っている人たちの大部分は、そういう人達のものだと思いますよ。そういう人達はFIT法の不備を突くような手法をいろいろ開発し、太陽光発電をさらに印象の悪いものにしてしまいました。

 

太陽光発電事業への想定以上の乱入に困った経産省は、急いでFIT買取り価格を下げ、不備を補ってきました。経産省はよく頑張ったと思いますよ、2019年度の買取り価格は14円ですからね。FIT法の不備もかなり是正されました。

 

それでもFIT買取り価格が高く始まった影響は大きく、この記事のタイトルにあるようにコスパは悪すぎます。環境破壊の酷い太陽光発電所があることも事実です。そう言われるのも仕方ありませんが、事実を正確に理解せずに批判されるのには忸怩たる思いです。

 

一方で、あの頃、時勢に乗ってFIT価格を高く釣り上げた人達はもう知らん顔です。太陽光事業に土足で踏み込んできた人達も知らん顔です。勝手なものだなと不愉快になりますが、このまま太陽光を廃れさせるわけには行きませんからね。残された人達で何とか太陽光の名誉回復していかなければなりません。しんどいなぁ。

 

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