自作について
太陽光発電所設置の経費の約3割が人件費と言われています。
平成25年度の50kW太陽光発電所の標準的な価格である
35万円/kW(PVeye8月号より)から考えると、525万円です。
高いように思えますが、今は人出が不足していて、
人件費をなかなか下げられないのもあります。
大手だと人を集める力もあり安く下請けを使えますが、
50kWの工事でも4次下請けをつかうこともありますので
かなり高額となってしまいます。
しかし、太陽光発電所の核となる技術はパネルとパワコン。
そして仕事の内容は体力があれば比較的だれでも
出来るような単純な仕事がほとんどです。
そこで誰もが考えるのが太陽光発電所の自作。
各社から自作キットが出ていますが、自作向けに売られる事は少なく
前述の下請けをたっぷり使った工事付きで購入されることがほとんどです。
では、実際に自作をするにはどうすればいいのか。
自作キットとは
自作キットとは一般的に以下の3点で構成されます。
1.太陽光パネル
言わずと知れた発電装置。通常はkWあたり10〜14万円ほど。
今ではどこも25年80%の性能保証が付きます。
国産がいいとされていましたが、最近では国産の
ナショナルブランドでも海外でのOEM生産が
多くなってきていますので性能で比較する意味は
薄れてきているのが現状です。
2.パワコン
直流を交流に変換して売電できるようにする装置。
価格は7〜5.5万円/kWほど。10年で総取り替えといった
事業計画書を書く方も多いですが、通常の設計とメンテナンスを
しっかりすれば故障率は20年で10%程度。
海外産もありますが、価格はさほど安くなく、
またトラブルのリスクもパネルよりずっと高いため
国産を選択する方がほとんどです。
3.架台
安い架台といえば以前は単管が主流でしたが
現在では専用の架台もかなり安くなっています。
価格帯としてはkWあたり2.5〜4万円ほどです。
パネルと同様に国産やドイツ製と言っていても
中国製のOEMである事例が多いので、国産にこだわる
必要はないでしょう。
自作キット以外に必要なもの
自作キットというと全てついていそうなものですが、
実際は含まれないものがいくつかあります。
1.整地および抜根
キットとは関係ありませんが、
発電所建設予定地が整地されていない場合、
整地する必要があります。また、木が生えている場合は
木を切り倒して抜根する必要があります。
切り倒した木は通常は産廃として処分しますが
価値のある機であれば無料で引き取ってもらえることも
ありますので念のため複数の業者さんに確認してみましょう。
スクリュー杭打ち
架台の柱を建てるための基礎として写真のような重機を使って
巨大なネジ状のスクリュー杭を打つのが一般的です。
田んぼの転用地など地盤が緩い時はコンクリートの
基礎を使って断面積を稼いで引きぬき強度および
N値(沈降に対する強度)を稼ぎます。
配電盤、連系柱、電気メーター
家庭で部屋ごとにブレーカーが分けられているように、
太陽光発電所ではパワコンごとにブレーカーを
付ける必要があります。
また、電力会社の最寄りの電柱に接続するための連系柱と
売電メーターならびにVCT盤も必要となります。
売電メーターおよびVCT盤に関しては電力会社ごとに
費用負担者が違うので確認をして下さい。
電気工事店さんに頼めばその他のものは調達してもらえますが
自作をする方は相見積もりを撮って調達したほうが安く済むでしょう。
950万円自作キット「ソーラーレイ」
「ある程度自分で手間を掛けてもいいので
なるべく安い価格で太陽光発電所を設置したい」
そういった要望にお答えして、各メーカーさんに自作キットを
作って頂きました。パネル、パワコン、架台がついて税抜き950万円
税込みで997.5万円と1千万円を切ります。
パネルは国内ではあまり知られていませんが、欧州を中心に
世界中で実績のあるSuntellite社製。知名度がない分、安くなっています。
パワコンは田渕電機。安心の国内製です。
マルチストリングス対応でパネルの故障や
日陰ができた際の発電ロスが大幅に軽減します。
架台は日本にOEM出荷も多数しているGrace Solar社製の
アルミ架台。グランドスクリューも付いた価格となっています。
施工や他の部材が必要な方向けには全て委託する形での
施工も可能です。お見積り、ご質問などは連絡フォームからお願いします。