原子力にこだわらない環境省は2030年に再生可能エネルギー33%

(カテゴリ: 再生可能エネルギー, 太陽光発電)

20年後の買取価格についてアップしましたので、今回は今後の再生可能エネルギーの規模予想を記載したいと思います。

環境省が再生可能エネルギーの将来予測をまとめました。
CO2排出量の削減を重視することで、2030年には国内の発電電力量の33%を再生可能エネルギーで供給できると見込んでいます。経済産業省の見込よりも強気ですね。

 

環境省は2050年までの再生可能エネルギーの導入見込量も算出しました。地球温暖化対策のために再生可能エネルギーを最大限に導入することを前提にしている。要するに、

「とにかく再生可能エネルギーをとことん使い倒してやろう」
という考えで試算しています。

一方で、経済産業省は原子力も入れたいわゆる「ベースロード電源」として考えたエネルギーミックス(電源構成)で算出しているので、差がでてきます。

再生可能エネルギーをどの程度気合を入れて広めるかによって、「低位・中位・高位」の3通りで算出しています。

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図1 再生可能エネルギーによる発電電力量の予測 出典:環境省

エネルギーの種別では、やはりというか、発電設備が急増する太陽光が最も多くて1173億kWh。
次いで水力で863億kWh、風力が537億kWhまで成長すると見ているようです。加えて地熱、バイオマス、海洋エネルギーも2030年までに増加することになっています。

火力や原子力を含めた国内の発電電力量は2013年度の実績で9397億kWhとのこと。今後は次第に電力需要が少なくなっていくと思われますが、2030年の発電電力量が2013年度と同じ場合でも、再生可能エネルギーで33%を占めることになります。需要の減少を考慮すれば、さらに拡大できます。

発電設備の容量を見ると、2030年(中位の場合)には再生可能エネルギー全体で1億6491万kWに達し、原子力発電設備の容量を1基あたり100万kWとして、実に165基分に相当する規模になる。とはいえ全体の6割を太陽光が占めるため、実際の発電電力量は原子力と比べて3分の1程度にとどまる。
それでも2030年には国内の原子力発電所をすべて稼働させた場合と同等以上の発電電力量を見込むことができます。
そうなればいいですよね。

以上です

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図2 再生可能エネルギーによる発電設備容量の予測 出典:環境省

環境省の予測手法は固定価格買取制度が2030年まで続くことを前提に、発電システムのコストと収益率の推移をもとに導入見込量を推定している。太陽光や風力に対しては、地域の供給量が需要を上回る場合に実施する出力抑制の影響も織り込んだ。ただし地域を越えて需給調整を図るなど、可能な限りの回避策をとった場合の予測値である。

固定価格買取制度の買取価格のうち、太陽光は2030年に向けて徐々に低下していく。(図3)。火力を中心にした発電コスト(回避可能原価)は2014年の時点で電力1kWhあたり13円程度だが、太陽光も同じコストまで下がると言われている。太陽光で発電しても火力で発電してもコストは変わらず、現在のように国民が発電コストの差額を負担しなくて済む状態に近づいていくはずです。

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図3 太陽光発電の買取価格(中位の場合)と回避可能原価(従来の発電設備による発電コスト)の予測。出典:環境省

 以上です

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