低圧太陽光発電所 点検義務
で検索すると関西電力をはじめ様々な会社のWebサイトにヒットして「4年に1回以上の点検が義務付けられている」というような文言が記載されています。
高圧の場合は電気主任技術者による点検が年に2回義務付けられていますが、これは主にキュービクル周辺の点検で、パワコンからパネルまでの間の点検は含まれておりません。

さて、それでは関西電力のWebサイトに記載されている記述を見てみましょう。
https://sol.kepco.jp/useful/taiyoko/w/taiyoko_tenkengimu/

出典:保守点検ガイドライン
と記載があり、4年に1回の頻度で点検をすることが推奨されていると記載があります。
義務なんですが、点検頻度は推奨なんです。
では一体何が義務化されているのでしょうか?
ガイドラインを読むと「第10章 保守・定期点検の進め方」という項目があります。
面倒な方はChatGPTに読んでもらい、点検頻度について教えてくださいと質問してみてください。
ガイドラインでは、法定の周期を一律に定めていません。
その代わり、**以下の要因を考慮して「個別設定」**することを推奨しています。
と回答してくれます。ではその要因を見てみましょう。
要因 | 内容 |
---|---|
設置環境 | 海岸沿い(塩害)、積雪地帯、砂塵地帯などは点検周期を短縮 |
設置規模 | 住宅用(低圧)より産業用(高圧・特高)は短周期が望ましい |
運転データの変動 | 発電量・パフォーマンスレシオに異常傾向がある場合は臨時点検 |
使用機器 | 機器の保証期間や推奨点検周期(メーカー仕様書)を参考に設定 |
監視装置の有無 | 遠隔監視がある場合は点検頻度を減らせる可能性あり |
こんな感じです。
注目は「遠方監視装置がある場合は点検頻度を減らせる可能性あり」ということ。
また、点検内容についても「この点検をすることが義務化されている」という内容は定められていません。

では点検しなくていいの?
いやそんなことはありません。
点検は義務化されています。
ここ数年、発電所への立入検査が増えてきています。
その時に「点検責任者は誰ですか?」と聞かれます。
自主点検であれば「私です」と答えますし、委託していれば「〇〇に委託しています」と答えますよね。
「していません。管理者はいません。」
この回答ができなくなったのです。
最悪、売電を止められてしまいます。
僕であれば日常監視は監視装置でしています。
草刈りを年に数回実施してその際に目視点検をしています。
実際に割れたパネルを見つけて交換したこともあります。
ここまででも十分な保守点検といえます。
ここから先は監視装置の数値を照らし合わせながら、怪しいところがあれば電気点検に入るという流れになるはずです。
パワコンの開け閉めだって機会負担ですし、最近のパワコンはそもそも開けないような設計になっています。
MC4コネクタを解放するだけでも負荷がかかりますから、本来であれば非接触の検査がベストなはずです。
それは監視装置と赤外線によるチェックです。
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