前回「借地で太陽光発電事業を進めるにあたって」という記事を書きました。
借地権と地上権を研究してみます!という内容です。
今回はこの点を書いていきます。
例えば私たちが住宅を借りる際、何かがあって急に立ち退きをすることになったらすごく困りますよね?衣食住は憲法が守る「健康で文化的な生活」を送るための最も基本的な部分です。
基本的人権の尊重という憲法でもっと重要な概念でこのぶぶなしっかりと保護されています。
ですので、大家さんがわのわがままで住人が立ち退かなければならないという例はかなり少ないと思います。
一方で太陽光です。太陽光は借地借家法で守られた事業形態ではないので通常の賃貸借契約になります。
貸主は一定の理由があれば賃貸借契約を終了することができます。また、貸主がその土地を手放し、新たな所有者が出てきた場合、その所有者と今の借主の関係が継続されるという保証は一切ありません。
全量買い取り制度に基づく太陽光発電事業は20年間の事業です。
その間に、地主さんが変わってしまったら?
相続や地主さんの本業が何かの都合でうまくいかなくなってしまったら???
特に前者は20年間の事業のなかでは比較的発生しやすい事例かもしれません。
ではどうすればいいのか?
20年間の間に大家さんが変わっても発電事業を継続させる方法が「地上権設定」です。
世の中の権利(契約)には物権と債権という2つの種類があります。
債権とは「こうなったら(A)こうする(B)」という種類の権利で、相対的、相補的、相関的な権利関係です。
今回の話の場合、借地権は債権の一種です。
相対的な権利で例えば地主さんが変わってしまえば権利は変化してしまいます。
一方で物権とは「物」としての権利です。唯一的です。
今回の話の場合、地上権は物権でありその土地自体を表しています。つまり地主が変わろうが、地上権という権利を持っていれば借り手側は焦らずに新しい地主さんと交渉することができます。
逆に言うと、通常の賃貸借契約では物権である「地上権」を貸手に与えることはあり得ません。
そこをまとめることが20年にわたる太陽光発電のビジネスでは必要になってきます。
例えば21年間もしくは借り手が発電事業を営む期間のうち短い期間、地上権を貸手に譲り渡すような契約になる筈です。
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