太陽光発電ムラ市場の中の人です。
この業界に入って1年と3ヶ月。
太陽王子の高校の同級生と言うだけでやってきてますがそれでも市場の中の人をやっていると色々とメーカー横断的に情報が見えてきます。
パネルに関してはある程度自分の中で基準というものが見えてきました。
それこそ太陽王子のブログに書いてありますのでごらんください。
さて、パワコンです。
パネルと異なり、実は選びづらいのがパワコンなんじゃないでしょうか?
色々と業者目線で見比べてみると答えが幾つか出てきます。
1.徹底的にエクストリーム過積載がしたいならSMA
SMAがいいんじゃないでしょうか?間違いなく一番入ります。
ただし、逆流防止ダイオードがパワコンに1つしかないので、状況によっては少し面倒です。
さらに三相の場合、パワコンに絶縁トランスが内臓されていないため、別途絶縁トランスをつけることを電力会社から求められることがあります。
そうするといくらパワコンの価格競争力があって最終的に投資対効果が出ない可能性が出てきます。
そういう意味で買い手泣かせな面もある憎いパワコンでもあります。
単相4.5kWには10年保証が工場出荷時点で付いています。これはおすすめポイント。
2.単相で比べてみると・・・
三相でSMAが有利なのは何と言っても入力電圧が600Vなことが大きいです。他のパワコンメーカーよりも1直列多く入る形です。
一方で単相で比べてみると実は結構わかりやすい結果が出てきます。
まず、一番手とも言えるOMRONが実は400Vなんです。他の単相パワコンは450Vが一般的。ここでも1直列損してしまいます。例外はソーラーフロンティアとの組み合わせ。
ソーラーフロンティアは1枚が100V以上なのでこの50Vを逆に無視できてしまいます。ソーラーフロンティアとの組み合わせであればOMRON全然ありです!もちろん実績はめちゃくちゃ豊富なパワコンなので過度な過積載を狙わないのであればOMRONでバッチリいけます。
では450Vの単相パワコンで比較すると。。。
5.9kWはちょっと中途半端なので割愛するとして。。。
田淵電機、SMA、山洋電気、デルタ電子あたりだと思います。
この中で「低圧過積載」という観点から残念なのは何と言ってもデルタ電子です。
デルタ電子は入力回路が3回路なんです。
つまり、同じ450V対応の単相パワコンでも簡単に言うと25%他のパワコンよりも過積載に向いていないパワコンということになります。
逆に過積載に向いているパワコンはなんといってもSMAです。
SMA4.5kWは450Vの4回路が11台です。
山洋や田淵が450Vの4回路9台なのと比べると2台分多くのパネルが入る計算になります。
ここがSMAの単純なミソです。
2台分多くパワコンを買えば、2台分多くパネルが乗る。これがSMAの論理です。
なんですが、そもそもなぜ、過積載をしたいのかというとパワコンを固定費とみなし、一定額のパワコンに対してパネルを増やしていきたいというのがモチベーションだったはずです。
そういう意味ではSMAの過積載は少しもったいないところがあります。
実際導入コストも11台になった分、割高になるケースが多いです。
という中で実は非常にバランスが取れているのが山洋電気の5.5kWじゃないでしょうか?
49.5kW分のお値段で比べてもSMA4.5kWを11台買うより安いです。
そしてOMRONよりも50V入力電圧が高く、稼働温度も10度高いです。
また工場出荷時に10年間の保証が付いてくるという点もお得ポイントです。
残念なのはソーラーフロンティアとの相性。
計算するとソーラーフロンティアとの組み合わせでは残念ながら過積載らしい過積載になりません。この点はメーカーと確認しながら話を進めています。
ソーラーフロンティアの過積載をやりたいならOMRONの432枚かSMA単相の462枚。
(裏技でSMA三相で500枚近辺を狙うという技がありますが、これは逆流防止ダイオードが必要になる「かも」しれません)
逆に結晶系であれば本当にエクストリーム過積載を狙うののならSMAで行くべきでしょう。
100kWを超えた200%過積載も全然できます。
一方で本来のコストパフォーマンスに目を向けると。。。
山洋電子の5.5kWは実は相当バランスがいいと思います。
以上、本日とあるお客様とお話をしながら思った内容でした。
コメントを残す