太陽光発電のメンテナンスの基本の「き」は何か。
実際にメンテナンスをする上で何を見るか。
パネルの断線?
架台の揺れ。
パワコンの状況。
雑草の状況。
この辺の現地の状況は大事です。
ですが、パネルはある程度ちゃんとしたものを入れていればそうそう壊れるものではありません。
初期に定期的に断線を検査し、特になければクラスタ故障はあまり出ないと思っていいと思います。
もちろん、パネルのロットやメーカーが「ハズレ」だった場合、ガンガン出るので検査して交換していきましょう。
メーカーが潰れないうちに。
【eソラメンテ-Z eZ-10】低圧発電所のパネル点検はこれ1台でOK
パネルの断線検査はこのeZ-10で決まりです。
本当に便利。
パネルが壊れにくい普通の発電所のメンテナンスは?
ここからが基礎です。
発電所で壊れやすいのは基本的にパワコンだというのが僕のスタンス。
パワコンの故障や不調をどうやって発見していくかが鍵です。
それの鍵は監視装置のグラフだと思います。

この発電所は3番目のパワコンのストリングが少ないのでこれで正常です。
ちょっと前までこのグラフはガタガタでこんなでした。

どうですか。ひどいもんですよね。
症状としてはパワコン1台に2つの外部ファンがついているわけですが、5番目と7番目のパワコンのファンが2つとも停止してしまい、熱によりシャットダウン。
稼働と停止を繰り返し、稼働するたびにパワコンのメモリ上の発電量がゼロになるという状況だったと推測しています。
なので実際の発電量はグラフより少しあります。
ほんの少し。
この辺のグラフ情報と現地情報から「実際に起こっている事象」を推測するのです。
仮説を立てるわけです。
僕は「とりあえず健全に2つのファンが動いているPCSからの移植」を実行しました。
1台動けばとりあえず熱暴走は止まると思ったからです。
実際にやってみたところ、見事1枚目のグラフのような発電量に戻りました。
よかったよかった。

パワコンの故障をどうやって見つけるか
グラフの落ち方や挙動を見て「どの単位で落ちているか」が推測できます。
単純に他のグラフの半分になっていたら、入力レベルで半分になっている可能性があります。
これはケーブルが切れているパターンもありますし、パワコンへの入力端子部分がイカれている場合もあります。
曇りや雨の低出力状態では同じような挙動を示すが、晴れの日は半分、75%出力など低下してしまう場合、PCSの異常の可能性が高いです。
まるでPCSの定格が5.5kWではなく2.75kWになってしまうような現象です。
ピークカットが早めにきてしまうようなグラフ。
この場合はPCSの回路の異常である可能性が高いです。
この辺をグラフから推測し、現地の情報(PCSの実際の出力や動き方)と照らし合わせ、異常を判定していきます。
あとは異常に合わせて測定機器を選びエビデンスを作っていく感じです。
今日も最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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メンテのポイントは、パワコンの発電量のバランスに尽きると思います。
8台あれば、8台の発電量は、同一のハズです。
1台だけでも壊れているとその発電量は、ゼロになります。
異常値があれば、確実に壊れています。
毎日、8台×6=48台のバランスを見ています。
これさえ見ていれば故障は、取り逃がす事はありません。