29円以上の案件狙い撃ち!エネ庁の横暴が始まった「発電所課金案」

全くもって酷い話が出てきました。

 

これです。

第17回 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会

 

スクリーンショット 2019-08-20 18.47.38

この資料の30pに記載されているのがその恐るべき内容。

 

2.再エネ電源に対する発電側基本料金の課金の在り方

 

という題名で始まっている文章です。

 

① 発電側基本料金の導入に当たっての基本的な考え方

今後、電力需要の伸び悩みが見込まれる一方で、再生可能エネルギーの系統連系ニーズの増加等により、電源起因による送配電関連費用の増大が想定され、送配電設備の高経年化対策による送配電関連費用の増大も見込まれる中、将来にわたって託送料金を最大限抑制しつつ、質の高い電力供給を維持していくことが求められる。

これらの課題に対応するためには、系統利用者である発電側にも受益に応じた費用負担を求め、送配電網のより効率的な利用を促すことが適当であることを念頭に、電力・ガス取引監視等委員会「送配電網の維持・運用費用の負担の在り方検討ワーキング・グループ」において、系統利用者である発電側に対して送配電関連費用のうち一部の固定費について新たに負担を求めること、kW単位の基本料金(発電側基本料金)として課金すること、発電側基本料金を2020年以降できるだけ早い時期を目途に導入することを目指すこと等が、2018年6月の同ワーキング・グループの中間とりまとめにおいて決定されたところである。

発電側基本料金については、電源種を問わず、kW一律で課金されるものであるが、再エネ電源に対する発電側基本料金の課金については、FIT制度の趣旨も踏まえ慎重に検討する必要があることから、本小委員会においても議論を進めてきた。

 

簡単に言うと「再エネを沢山連系するにはお金がかかるけど、そのお金は連系負担金だけだと足りなくなっちゃうから「発電基本料金」を作るよ」って事です。

 

「系統利用者である発電側にも樹液に応じた費用負担を求め(中略)kW単位の基本料金(発電側基本料金)として課金する」

 

と中程に記載されています。

 

受益者という論理の飛躍

基本的にはこの受益者という言葉は国内では悪用されてしまう言葉です。

どのように開くようなのかというと経産省やエネ庁に取って都合のいい言葉として解釈されてしまうのです。

 

本来、受益者と言うのは電気を使う国民です。

発電事業者は受益者ではなく、あくまでも事業者です。

 

この受益者が発電にかかる費用を負担するというのが基本的な「受益者負担の原則」です。

日本では謎に「受益者と言うのは発電事業者も含む」としています。

 

東京電力のような電気の小売をしている事業者であればそれでも論理は成り立ちます。

発電事業者に課せられた基本料金は結局電気を使用する需要家に課せられる事になるからです。

 

しかし、問題は固定価格買取制度でやっている我々再エネ発電事業者は「需要家への価格転嫁」が一切できません。

 

これが問題なのです。

 

その問題はエネ庁も認識していて

「FIT期間中は価格転嫁できず、既認定案件への調整措置が不可欠である。また特定負担が高い太陽光の案件は少ないため、一般負担上限の見直しの恩恵を受けられているケースは限定的である。」との意見もあった。

「一部の人からはさすがにちょっとまずいんじゃない?って意見もあったよ」とガス抜き文章を入れています。

 

太陽光発電ムラ市場

一方でさらに論理を飛躍させているのが27円以上の案件は配慮しないという横暴

びっくりするのがこの一文。

 

利潤配慮期間の調達価格が適用されるFIT電源については、既に制度上十分な配慮がなされている一方で、当該期間後の調達価格が適用されるFIT電源は相対的に調整措置の必要性が高いこと、といった視点や意見を提示しながら、本小委員会で議論を行った。

利潤配慮期間と言うのは固定価格買取制度が始まった時に「これから3年間の案件は再エネの買い取り価格をちょっと高めに設定するよ〜」というボーナス期間の事です。

国内で初めての制度なので初期に一気に再エネの導入を加速させるための配慮でした。

 

具体的にはIRR(内部収益率)6%という配慮です。

24円以降は5.5〜5%に削減され、14円の現在では5%へと削減されています。

 

その、利潤配慮期間の案件は利潤配慮されてるんだから発電基本料金を支払ってよねというのがこの論理。

 

一言で言うと

 

なんで?

 

です。

なんで?利潤配慮期間は20年あるんじゃないの?なんでそのほかに新たなコストが出てきちゃうの?

 

リスクを背負って飛び込んだ人にたいし、罰を与えるのがこの国のやり方のようです。

いやいや、投資の世界では逆ですよ。

成功は正義でなければいけません。

 

そうでないと、富が富を、エネルギーがエネルギーを生みません。

 

この案件、現実に成ったら27円以上の発電所を持っている人は怒り狂うはずです。

 

訴訟の連発でしょうね。

僕も3つ該当する発電所持っています。

 

3基で合計30万円の基本料金を15年近く支払わなければならなくなります。

450万円です。

さらに、FIT終了後の事業もめちゃくちゃ圧迫します。

 

本当にひどい話です。

 

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