社会人になってすぐに社会勉強の積もりで株式投資を始め、いつか『会社四季報の大株主欄に載る』という２３才、バカな夢を持つ。

３3才で妻の浮気が発覚し離婚。相手の男と住むために親権も放棄され、５歳の息子と父子家庭となった。
離婚の翌日、やけくそで貯金通帳にあった僅かな金を全て株式投資に突っ込んだ。
その日が９．１１。(2001)
悪夢のようなタイミングでのイン。
当然だが、ストップ安で値がつかない株。売るに売れない株。ようやく売れたら、僅か９０万円の評価額。今でも忘れないが、この９０万円が、私の全財産だった。

５歳の息子の保育園の迎えに５時半ダッシュで帰宅する父子家庭のサラリーマン。残業もゼロ。マジに退社も考えた時期。
何とか節約し５年で薄給から800万円を貯めた。ちょうどインターネット取引が出てきた時。今の楽天証券の前の会社DLJディレクトとか松井証券が大きくなってきた頃、子供を寝かした夜に、その時の自分には株しかないと感じ、毎夜子供を寝かせたあと、チャートを眺め、株と経済に向き合い真剣に勉強した。

自分には何の取り柄もないが、当時流行っていたSWOT分析を自分自身にしてみた。
・少しは、ITに詳しい。
・もしかしたら、ネット関係は当時の株式投資の主力層の高齢者より詳しいかも。
・インターネットが高齢者より使いこなせるかも。
これくらいが僅かなSWOTでの強み。

IT部門に配属しており、たまたま仕事で来たITセミナーであるソフトウェアの会社社長のプレゼンを聞き終わって3分、そのIT会社の株をネットで買った。ほぼ全ての資産を株式投資に向けた。
ネットの世界ではブログが流行った頃でもあった。その会社の事を色々自分なりに調べ毎日アップした。
数年後、株価が少しづつ上がり始めると、自身のブログを教祖と崇拝する方も現れ、株価は見る見る上がっていった。
更に、ブログに書いた他の株も軒並み上昇。その年の年間上昇率トップ10に私の持ち株３社が全てランクインする状態になった。IT会社の株は、テンバガーを超えていた。SWOT分析の微かな強みを実践してたのかもしれない。
当時の総資産で1.35億。『９０万円から１億。』今で言う『億り人』を当時一瞬実現した。

しかし、その期間は本当に長くなく、ホリエモン逮捕のニュースと、マネックス証券の暴挙により、持ち株全て三日間ストップ安となった(2006年)。私の資産は再びぶっ飛んだ。信用取引もしていたので、暴落は恐怖だった。会社のトイレでネットを見て、あまりの悲惨な光景に吐き気がしたのを覚えている。

絶望の時期だったが、ふと思い出した事が、大株主欄に載るという夢。
減ったとは言え、まだ資産は5000万円くらいはあったので、その夢にかけた。
時価総額が小さく、自己資本比率が高い、毎月キャッシュが必ず入って、在庫が無い会社。
その1社の大株主欄に載ることが、ついについにかなった。そのあとは、この会社を信じて何もしない事を決めた。超長期投資、ほっとけ投資。
2006年四季報の大株主欄についに名前が載った。時価総額３０億程度の企業だが、私の23歳の夢を達成した。

しかし、更に不幸は続き、リーマンショック(2008)や3.11東日本大震災(2011)で株価は半値以下になった。3.11の時は、暴落する株を僅かな現金で泣く泣く買い支えてた。結果的にそれがこの株の最安値。

その株の株価が、今日時点でこんな感じ。

ほんと２３才からジェットコースターのような資産変動を経験したが、やはり若い時に株式投資に出会った事は、勉強も出来たし、自分の人生にはプラスになったと思ってます。

今年５２才激しいアップダウンに疲れた事もあり、今年年始の計画どおり一旦、株式投資からは身を引く積もりです。
そして、別の手法での投資をしたいと思った。

その１つが太陽光発電。

今度は自分の「信用」で投資する。ある意味、時間はかかったけど、ここまでの投資は、この信用を作るための手段。次の投資の資本を作っただけと考えている。

ネットを見たり、先日の神戸のセミナーに参加させてもらって、若い方も太陽光発電のオーナーになられてる。正直何千万も借りる信用のある若い方を羨ましく思った。
金も信用も全く無かった。大きな金額を必要とする太陽光発電や不動産投資はとてもできる人間ではなかった。
投資家になって２９年、資産９０万円しかなかった貧乏人が、やっとこさ、太陽光発電を持てる信用を得て、ようやく次の一歩を踏み出せるかもというところまで来たのが今の状態。遅ればせながら、これから再生エネルギーのお勉強をします。

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