太陽光発電所を安く作りたい人向け 分離発注の注意点

(カテゴリ: パネルメーカー, メンテナンス, 投資・融資)

分離発注という言葉は太陽光発電の業界ではすっかり一般化してきました。

分離発注とは施主が部材を直接仕入れ、工事会社には工事のみを依頼するという発注方法です。

逆に工事会社に請負契約で全て依頼し、工事会社が部材を仕入れる方式を請負契約といいます。

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施主が部材価格をコントロールしたいのなら分離発注

請負契約の場合、工事業者がパネルやパワコンを仕入れます。

そこには当然ながら業者の利益が乗ります。

この部分のお金を施主が自ら動き、自ら責任を持つことで価格を下げることができます。

全量買い取り制度の買い取り単価が下がってきたこともあり、お客様が自ら仕入れをされるような例が多くなってきています。

一方で、施主さん側に「安全に安く調達する能力」がない場合、結局安くならなかったり、グレードの落ちる品物をつかまされたりする場合があります。

 

太陽光発電ムラ市場

請負契約は損なのか?

工事会社が仕入れ品に対して取る利益。

これは別に「ボッタクっている」わけではありません。

パネルの選定や仕入れ先との交渉、納期の管理、保証の手続きなど仕入れに掛かる人的コストも有ります。

また、パネルを現地で「荷受け」するにもフォークリフトやクレーンなどの機材が必要です。

また、パネルの配置レイアウトや建柱位置、パワコン位置など設計もやってくれる工事業者がほとんどだと思います。

分離発注の場合、この辺の「中間業務」を誰がやるのかをきちんと施主が管理する必要があります。

 

トラブルになりがちなポイント

・パネル、パワコンの選定

とにかく安いものを、信頼できるメーカーのものをなど色々とご希望があると思います。

ここを人任せにし始めるとキリがないんですが、各仕入れ業者、工事業者共に安く仕入れられるメーカーや得意なメーカーがあります。

しっかりコミュニケーションをとって進めていきたいところです。

・設備認定、電力申請は誰が実施、管理するのか

設備認定自体はそこまで難しいものではありません。

しかし認定不備やパネルの変更など連系までには様々な変更がありえます。

また電力会社との連系申し込みも色々と変更が付きまといます。

・パネル配置設計、ストリング設計は誰がやるのか

パネルの配置は土地に対し物理的にレイアウトを組んでいく形です。

これは本来工事業者さんが現場を見ながら進めていきたいというのが本音です。

しかし実際のところ、分離発注を選ばれたお客様は工事業者を決めるよりも先に設備認定を進めていくパターンがほとんど。

となると、レイアウトを決める責任は実質的に施主が負う必要があるパターンが多いと思います。

 

逆にストリング設計はよほど辺な認定をしていない限り認定後にある程度コントロールすることができるはずです。

ここは工事業者さんと一緒に考えていってもいいところかもしれません。

影の影響をどう判断するかが一つの決め手です。

影の影響を考えると結晶系の場合基本は横置きの横ストリングになる筈です。

・仕入れ業者が仕入れる品物、工事業者が仕入れる工事部材の切り分け

この辺もトラブルがありそうな分野です。

発電ムラの場合

パネル、パワコン、架台、フェンス。この辺の大物をムラ市場で選択いただき

分電盤、ボックス、ブレーカー、PVケーブル、連系柱などの現場合わせの必要な部材は工事業者様に仕入れてもらうパターンが多いです。

・荷受は誰がやるのか、荷受コストは誰が持つのか

ここは現地の工事業者さんに依頼しておくのが一番ミスが少ないと思います。

気をつけなければいけないのは現場に10トントラックや増トンウイング車が入るかどうか。

道があるか、駐車スペースがあるか、フォークやクレーンの取り回しができるかという物理要因です。

ここを選定していくのも最終的には施主さんの責任になります。

 

 

逆にこれらのポイントをかなりの割合でやってくれるのが請負契約です。

 

こう考えると請負契約も別に「割高ではない」と考えることもできるのではないでしょうか?

 

さて、いよいよ発電所が完成したら次は管理です。

ここにも分離発注の落とし穴はあるかもしれません。

 

 

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