【仮説を立ててみた】なぜ出力抑制は「改善」したのか?

借金大好きhamasakiです。

今回は、私の米子発電所(24円単価・過積載72kW)の2年分のログを比較して見えてきた、出力抑制の「意外な真実」についてお話しします。

まずは忖度なしの実測データをご覧ください。2024年と2025年を比較すると、現場の状況は劇的に改善していました。

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米子発電所 2年間の実績比較(2024年 vs 2025年)

【2024年 実績】

  • 実発電量: 76,422 kWh

  • 出力抑制率: 3.80 %

  • 抑制による損失額: 80,519 円

【2025年 実績】

  • 実発電量: 78,588 kWh

  • 出力抑制率: 2.37 %

  • 抑制による損失額: 50,312 円

【前年比】

  • 発電量: +2,166 kWh(増加)

  • 抑制率: -1.43 ポイント(改善)

  • 損失額: -30,207 円(減少)


再エネが増え続けているはずなのに、なぜ抑制がこれほど減ったのか。現場の感覚と国内の最新データから、その背景を分析してみました。

太陽光発電ムラ市場

1. 火力発電の「抑制ルール」が効き始めた

2025年度は、日本の電力システムに少し変更が入りました。これまで「これ以上は絞れない」と言われてきた火力発電に対し、国が「もっと絞れるだろ!」メスを入れ、実運用が強化されています。

  • 最低出力の引き下げ: 火力をこれまでの50%から30%以下まで絞る運用の徹底。

  • 非効率石炭の稼働制限: 古い石炭火力を年間半分以上休ませる「50%ルール」の運用。

これらにより、火力が一歩下がり、太陽光が入り込める「枠」が広がったことが、改善の大きな要因だと考えています。

2. 国内で急増する「データセンター需要」の底上げ

電気が余るから抑制されるのであれば、逆に「使う量」が増えれば抑制は減ります。今、国内ではまさにその需要の底上げが起きています。

電力広域的運営推進機関(OCCTO)が2025年1月に公表した想定では、長らく減少傾向にあった国内の電力需要は、データセンター(DC)や半導体工場の新増設により2024年度から増加傾向に転じると予測されています。 具体的には、DC・半導体関連だけで、2025年度には前年度比で**+56万kW**もの最大需要の積み増しが見込まれています。AIブームによる高負荷なGPUサーバーの導入加速が、昼間の余剰電力を「消費」という形で吸収し始めているのです。

3. 「二季化」による冷房需要の長期化

最近、春と秋が短くなり、夏が長くなったと感じることはないでしょうか。2024年の夏は、静岡市で「猛暑日が40日間連続」という歴代記録を2週間以上も更新するなど、異常な暑さが続きました。

出力抑制が最も発生しやすいのは、本来「エアコンを使わない晴天の春・秋」です。しかし、5月や10月でも真夏日を記録することが常態化したため、こうした時期にも冷房需要が発生するようになりました。本来なら「電気が余って抑制」されるはずだった日が、「暑さで電気を消費する日」に置き換わったことが、結果として抑制の回避に繋がっています。

4. オンライン制御と送電運用の「知能化」

最後はシステム的な改善です。 中国電力エリアで余った電気を、需要がある他エリアへ逃がす「連係線」の活用ルールが年々改善されています。また、オンライン制御の精度が上がり、「必要最小限だけ止める」という緻密なコントロールができるようになったことも、私たちの発電所を守る大きな盾となっています。


最後に

今回の実測データはポジティブな結果となりましたが、これはあくまで「中国電力管内」の「この1年」に限った結果です。

この傾向が今後も続くのかは慎重に見極める必要がありますし、エリアが変われば(特に抑制の厳しい九州や東北など)また全く違う景色が見えているはずです。

「出力制御があるから終わりだ」と極端に悲観するのではなく、今後も各地のデータをチェックしながら、冷静に事業を継続していきたいと思います。九州や東北のオーナーさんの実測データも、ぜひ伺ってみたいところですね。

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