中古の太陽光パネルを効率よく検査する方法

(カテゴリ: パネルメーカー, 科学)

中古、新古の太陽光パネルがあったとします。

これを効率よく検査する方法を考えてみたいと思います。

 

どこまでやればOKなのか、少し難しいので「目的、目標、手段」に分けて整理してみましょう。

 

目的 パネルの健全性を確認する

ここですよね。

目的。これが一番大事です。どのような目的を設定すべきか。

 

新品同様のレベルを担保したいのであれば最低限パネルメーカーレベルの検査をする必要が出てきます。

 

ですが、このパネルは中古もしくは新古品です。

車でも中古車は新車とは扱いが異なりますよね。

 

僕だったら、メーカー保証が適応可能かどうかと今の状態がメーカーの製品保証、出力保証の範囲を満たしているかを確認する事を目的にします。

つまり、そこが確認できればOKであろうと。

それ以外はプラスアルファであり、おまけです。

ですが、パネルを将来使う事を考えるとこのプラスアルファは結構大事なところです。

 

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目標1 メーカー保証という観点からパネルが現在どんな状態にあるかを把握する

目的から導いた目標の1つ目はこれです。

メーカー保証という観点からパネルがどんな状態にあるかを把握する

 

具体的に考えてみましょう。

この段階でついている保証は2つあります。一つは製品保証です。

パネルの外見をチェックしフレームやガラス、バックシートに以上がないかを目し検査します。

フレームの歪みやガラスのひび割れ、曇り、落ちない汚れは困りますし、バックシートに焦付きなどがあっても困ります。

 

2つ目の保証は出力保証です。

300Wのパネルであれば25℃、1000W/㎡の日射の時に300Wの出力があるのが前提で、その95%であったり(このパーセンテージは経年で変化)その辺の範囲内である事をメーカーが保証しています。

 

この2つの保証をうけられるパネルなのかをまず確認しましょう。

具体的には保証書の確認です。

 

目標1を達成する手段 保証書の確認とパネル状態の確認

保証書はよく読みましょう。

パネル設置後の移動と再設置を文書で弾いていた場合、「このパネルはメーカー保証対象外ですよ」なんて言われかねません。

特に国産メーカーはパネルのシリアルを管理していたりします。

 

次にパネルの状態です。

本来であればこれはIVカーブトレーサーで確認すべき事です。

もしやるのであれば、パネルを10枚なり12枚なり繋げて一気にテストするのが現実だと思います。

 

また、IVカーブトレーサーがなければ、ストリングチェッカーでストリング単位で最低限バイパスダイオードが働いていないこと(つまり断線がないこと)を確認すべきでしょう。

25℃、1000W/㎡という条件は達成している日がほぼないので、実際に出力を測定することはかなり難しいです。

ですのでストリングチェッカーで断線がない事を確認するのが現実的な落とし所だと僕は思います。

 

目標2 そのパネルが将来どうなりそうか

ここからは将来予測に使う部分です。

もしパネルが使われている中古品だった場合。

一度目の施工でパネルの上に人が乗っていたりするとセルには見えない破断が起こっている可能性があります。

 

そうすると将来寒暖差や、今回の輸送・施工の衝撃などで破断が加速することになります。

もし、そんな可能性が予測できるのであればそんなパネルは買いたくないですし、そうでないパネルであれば多少は安心できますよね。

 

目標2を達成する手段 EL検査、サーモカメラによる目視検査

現在の隠れた傷を探すには人間の目では不可能です。

この場合、一番確実なのはEL検査です。

 

パネルに逆電流を流し、パネル表面から出てくる目に見えない光(エレクトロルミネッセンス)を機械的に見るのです。

LEDの逆反応みたいなもんです。(電気で光を作るか、光で電気を作るか)

 

ですが、EL検査はとてもお金がかかります。

 

その代用方法は残念ながらありません。

 

しかし、赤外線カメラがあれば、EL検査とは異なりますが、パネルが出している熱を検知できます。

EL検査ほどではありませんが、そこからセルの状態やパネルの状態を見ることも可能です。

ただ、赤外線チェックはしっかりと発電している状態でやるものなので倉庫に置いてあるものを検査することはできません。

 

結論 文書チェック ストリングチェック 赤外線チェック

というわけで今日の結論です。

あくまでも僕であればというところですが、まずは文書をチェックすべきでしょう。

保証書とその内容です。

 

その次は現状のパネルのストリング検査をします。

10直列でもなんでも構いません。

 

次にやるのは赤外線チェックです。

この3つのチェックをしておくのが最低限の検査だと思います。

 

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