低圧太陽光の現実 実際18円案件以降は大変だというお話

年末からごましおさん、マナSUNさんなど色々な方が「太陽光は赤字になるかも!」「発電側基本料金なんじゃい!」ということで大騒ぎになっておりました。

 

わかります。

ある程度わかります。

 

前提として

 

  1. 利回り10%のモデルで、15年フルローン組んだら初期はCF赤になる
  2. 利回り一定なら規模に応じて利益は増えるので2000万円以下の物件は不利(低単価物件はここがキツイ)
  3. 発電側基本料金は当初の議論と比べるとかなりFIT電源に配慮が出始めている

こんな前提があります。

 

まずは1から行きますか。

 

1 利回り10%のモデルで15年フルローンを組んだら初期はCF赤になる

これは自分で事業シミュレーションを組んだことがある方なら直感でわかるはずです。

初期にどうしても赤になります。

特に元金均等返済を選んだ場合。

 

3年の固定資産税減免を取った場合、なんとか3年間は一息つけますが、4年目からまた事業収支が悪化。

 

昔は「ここから1割売電が上がるので」なんてトークもできたんですが、200%を超える過積載を仕掛けてきたあたりからはこのトークも難しいです。

 

対処方法としては

  1. ローンを17年もしくは20年ローンに
  2. 据置期間を設定してもらい初期のキャッシュを厚く
  3. 消費税還付が素早くもらえるように工夫
  4. 元利均等返済や変動金利を選択
  5. 頭金を1〜2割入れる
  6. 固定資産税減免、金利減免をなるべく使う
  7. 場合によっては草刈りなどは自分でやってみる

 

こんな感じでしょうか。

東北電力は定額電灯から逃げられないので従量電灯への切り替えは入れませんでした。

 

太陽光発電ムラ市場

2 利回り一定なら規模に応じて利益は増えるので2000万円以下の物件は不利(低単価物件はここがキツイ)

これに関してはまぁ、仕方がないですよね。

実際24円くらいの案件までは普通に2000万円を超えていました。

小さな差ではありますが、30万円のCFなのと、50万円のCFなのとでは全然実感が違います。

30万円の場合、ちょっとした誤差ですぐになくなってしまいます。

台風が2〜3個ぶち当たったり、今年のように雪の当たり年は悲惨なことになります。

 

50万円ならなんとかなる。

逆に50万残る様に頭金や他の手法を取り入れたいところ。

 

3 発電側基本料金は当初の議論と比べるとかなりFIT電源に配慮が出始めている

 

発電側基本料金はこのブログでは実は結構取り上げてきました。

取り上げすぎて僕が飽きてしまい、ここ1年ほどは書いていませんでした(苦笑

 

当ブログを「基本料金」で検索した結果

スクリーンショット 2021-01-05 18.43.49

 

当初は「29円以上を狙い撃ち」するような議論も進んでいました。

 

今は「検討は必要だが配慮も必要ではないか」という議論がなされています。

 

引き続きプレッシャーは必要ですが当初よりはマシになっています。

 

FITの電源は必要な費用をあらかじめ計算し、IRRが一定になるように売電単価が決められています。

エネ庁が事務局になりつつ国民の有識者を募って「調達価格等算定委員会」というWGを設置し、そこで議論が進んでいるのです。

 

ところが、単価を決めた際には考慮されていなかった新たな費用負担が出てきたのです。(FIT以外の全電源共通)

それがこの「発電側基本料金」です。

 

電力会社のガス火力などにも発生するのですが、彼らは売電価格を上げて消費者に販売することができます。

 

ところが僕らFIT事業者はこれができません。

一定の価格で電力会社が買い取る制度だからです。

訴訟連発確実の酷い案だったのですが、今のところ過度な痛みとならないよう、KWhあたりの調整費用が電力会社から支払われる形になっています。

 

こんな話が、スーッと通る様であれば、今後2度とこの国ではエネルギー系の投資はしてはいけません。

僕もなるべく海外の投資に切り替えないといけませんし、子供たちにも「日本には住まないほうがいい」という教育に切り替える必要が出てきます。

 

すごい国です。

 

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3 Comments

まなSUN

情報ありがとうございます。今後の動向を固唾を飲んで見守ります。
まさにその18円以降の2,000万足らずの案件ばかり。FIT最終便に駆け込みしちゃって見事に掴ませれた感がしてます(笑)

Reply
sun33

いつもの否定的な事ばかりで失礼します。
今、大雪の問題が現実的に発生しています。
異常気象の問題です。これはまともに赤字になります。台風だけではない事もわかりました。
導入施設数が多くなればなるほどリスクは高くなるのではないでしょうか。まだまた、「後だしジャンケン」は出てくると思います。皆様、訴訟連発が多発すると言いますが、本当に裁判となると時間が3年位はかかります。弁護士費用も100万はかかるでしょう。それで結審する頃には、すべて悪い方に終わってしまっているかもしれません。海外移住と言いますが、日本程、良い国はない事を私は、体験しました。私は、現在、2件の裁判をしています。

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悲観的に計画し楽観的に実行する 太陽光発電の20年シミュレーション にコメントする コメントをキャンセル





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