借金大好きhamasakiです。
先日、田淵の三相9.9kWパワコン(EPU-B-T99P-SC)をHUAWEI SUN2000-4.95KTL(単相)に全交換しました。
交換直後から「あれ、増えてない?」という感覚があったので、実測データとNEDOの気象データを使って、年間どれくらい発電量が変わるのかを計算してみました。
まず実測で何が起きたか
交換後、2026年2月に晴天日と曇天日のデータを比較しました。 隣の南向き同条件の田淵発電所(未交換)と自分の発電所(HUAWEI)の1日の発電量を比較しています。
| 日付 | 田淵発電所(kWh) | HUAWEI発電所(kWh) | 差 |
|---|---|---|---|
| 2/24(晴天) | 251 | 260 | +3.6% |
| 2/26(晴天) | 310 | 321 | +3.6% |
晴天日は一貫して+3.6%前後の増加です。
カタログ上の変換効率差(93.5% vs 97%)からの理論値は+3.74%なので、ほぼ教科書通りの結果です。
ところが、曇天日のデータを見ると話が変わってきます。
こちらは+10〜20%の差が出ています。
なぜこんなに差が開くのか。
それが、この記事の本題です。
2013年製と2025年製のパワコン、何が違うのか
田淵EPU-B-T99P-SCは2013年製の三相機です。
HUAWEIは2025年製の単相機です。
製造年の差は12年です。
この12年でパワコンの技術は大きく変わっています。
技術の変化
| 項目 | 田淵(2013年) | HUAWEI(2025年) |
|---|---|---|
| 変換効率(最大) | 93.5% | 97.0〜97.5% |
| 冷却方式 | ファン冷却 | ファンレス(自然冷却) |
| トランス | 高周波絶縁トランス内蔵 | トランスレス |
| スイッチング素子 | Si-IGBT | SiC/高効率MOSFET |
| 夜間待機電力 | ≦11W/台 | ≦5.5W/台 |
| 起動電圧 | 150V | 100V |
田淵は5台稼働でファンが合計約175W、トランス鉄心損が約125W、合計300Wの固定損失があります。
HUAWEIはファンもトランスもないので、固定損失はほぼゼロです。
*この部分は生成AIによる推測値になります
*ただ、色々と突っ込んで質問したところ大きな間違いはななさそうなので採用しました
曇天に差が開く理由
固定損失の話が曇天に効いてきます。
晴天のピーク時(定格出力付近)は、固定損失300Wも総出力49,500Wに対して0.6%の影響です。
たいした差にはなりません。
ところが曇天で出力が20%程度(約10,000W)まで落ちると、固定損失300Wは総出力の3%分です。
これだけで変換効率の差に加えてさらに2〜3%分、差が広がります。
新潟は日本でも有数の曇天地帯です。
年間の日照時間は全国平均の半分以下、冬は1〜2割しかありません。
そういう地域で、低負荷効率が弱いパワコンを使い続けることのコストは思った以上に大きいのです。
新潟の気象データで年間シミュレーション
気象庁(1991〜2020年平均)の新潟市データをベースに計算しました。
新潟市の月別日照時間(平年値)
| 月 | 日照時間(h) | 日照率 | 雲量 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 56.4 | 18% | 76% |
| 2月 | 76.7 | 26% | 69% |
| 3月 | 124.5 | 34% | 65% |
| 4月 | 163.4 | 43% | 57% |
| 5月 | 181.3 | 46% | 55% |
| 6月 | 163.9 | 41% | 59% |
| 7月 | 158.7 | 40% | 60% |
| 8月 | 181.4 | 49% | 54% |
| 9月 | 148.1 | 41% | 60% |
| 10月 | 142.9 | 39% | 62% |
| 11月 | 89.7 | 25% | 66% |
| 12月 | 56.3 | 18% | 76% |
| 年計 | 1,543h |
冬の1月・12月は日照率が18%です。
全国平均の半分以下です。
この気象条件を加味した年間シミュレーションがこちらです。
年間発電量シミュレーション(システム容量49.5kW)
| 田淵(交換前) | HUAWEI(交換後) | 差 | |
|---|---|---|---|
| 年間発電量 | 63,431 kWh | 67,406 kWh | +3,975 kWh |
| 増加率 | ― | ― | +6.3% |
| FIT 40円/kWhで | 2,537,240円 | 2,696,240円 | +159,000円/年 |
晴天日だけで測ると+3.6%ですが、新潟の曇天を含めた年間では+6.3%まで広がります。
これは曇天・低負荷時の効率差がしっかり効いているからです。
季節別の増加量
| 季節 | 増加量 | 増加率 |
|---|---|---|
| 冬(12〜2月) | +588 kWh | +8.2% |
| 春(3〜5月) | +1,211 kWh | +5.9% |
| 夏(6〜8月) | +1,357 kWh | +5.9% |
| 秋(9〜11月) | +818 kWh | +6.4% |
| 年間 | +3,975 kWh | +6.3% |
冬が一番改善率が高い。
新潟の発電所にとって冬の発電量改善は大きいです。
日照時間が少ないからこそ、パワコン性能が効いてきます。
3つの改善要因の内訳
発電量増加の内訳を分解するとこうなります。
| 要因 | 年間増加量 | 割合 |
|---|---|---|
| 変換効率向上(93.5%→97%) | +3,531 kWh | 89% |
| ファン固定損失除去 | +282 kWh | 7% |
| トランス鉄心損失除去 | +162 kWh | 4% |
| 合計 | +3,975 kWh | 100% |
変換効率向上が主役で89%を占めます。
残り11%はファン・トランスの固定損失です。
特に曇天時はこの固定損失分が際立ちます。
保守的・中央値・楽観的シナリオ
計算には前提条件の不確実性があります。
3つのシナリオを用意しました。
| シナリオ | 年間増加量 | 増加率 | FIT収入増加 |
|---|---|---|---|
| 保守的 | +3,531 kWh | +5.5% | +141,240円 |
| 中央値 | +3,975 kWh | +6.3% | +159,000円 |
| 楽観的 | +4,196 kWh | +6.6% | +167,840円 |
どのシナリオでも、最低5.5%は改善します。
FIT残年数が10年あれば、それだけで141〜168万円の差になります。
まとめ
田淵三相からHUAWEI単相に交換すると、新潟のような曇天地帯では年間+6.3%前後の発電量増加が見込めます。
晴天日だけ見ると「+3.6%」ですが、曇天を含めた年間では「+6.3%」になります。
あとは実測値を測って比べてみるだけですね。
次回はHUAWEIに変えたことにより代理制御から実制御に変わるので、その部分をシミュレーションしてみます。









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