発電側基本料金の議論が進んでいるのかいないのかよくわからない

総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(第32回)

 

発電側基本料金のワーキンググループがありました。

 

上記ページの資料1はこれまでのまとめなので、あまりよくわかっていない人はさらっと目を通すといいと思います。

 

僕は自分の興味のある 資料2の 発電側課金の調整措置について を読み込んでいます。

見ていてどんどん腹が立ってくる資料ですが(苦笑)

 

僕が認識していなかった点 一般送配電買取と小売買取

ここは僕も盲点でした。

スクリーンショット 2021-05-12 19.00.13

 

これですね。

この資料の下の方の図です。

小売買取(東京電力で言うとエナジーパートナー)と一般送配電買取(東京電力で言うとパワーグリッド)で事情が変わってくると言うものです。

小売買取の場合は小売会社がダイレクトに顧客に売っていますからわりかし話は簡単です。

 

ですが、2016年以降の認定案件は一般送配電買取でです。

ここは直接顧客に売るのではないからややこしいよねと言うお話。

まぁ上手に制度設計してください。

 

太陽光発電ムラ市場

現在の制度 発電側基本料金は一度支払うが

発電側基本料金は全ての電源が支払うべきだと言うことになっています。

ですが、稼働済みの発電所からするといきなり新たな負担が生まれます。

普通の電源であればそれが電気料金として添加されます。

 

ですがFIT制度は電力会社が買い取るので添加が起こりません。

単純にコストが上がるだけなのです。

 

しかし、電力会社から見ると再エネ事業者が支払った基本料金の分コストが圧縮されます。

 

まずは、そのコスト減になった分は発電事業者に返しましょうと言うことになっています。

概ね発電側基本料金の半金に当たる金額が想定されています。

 

残りの半金はどうなるのか

では残りの半金はどうなるのか。

今6つのパターンで議論されています。

スクリーンショット 2021-05-12 19.07.41

 

これです。

・負担分を電力賦課金で賄う

・負担の一部を賦課金で賄い、残りを発電事業者が負担

・負担を全て発電事業者が負担

 

この3つのパターンを「利潤配慮期間案件(40円〜29円)」「非利潤配慮期間案件(27円以降)」で分けて6つです。

 

委員会ではいつも通り、松村議員(東大)を中心に「国民負担を下げるべき。上げることは罷りならん」が中心ですが、なぜか「27円以下は多少配慮があって然るべきでは」と言うニュアンスも・・・

 

いやいや、ちょっと待て 利潤配慮期間の利潤は配慮しないんかい

利潤配慮期間案件はどれくらいリスクがあるかわからない太陽光発電事業に対して投資を呼び込むためにプレミアムをつけたものです。

そこから事後的にコストだけをオンするのでは肝心の「利潤(儲け)」が保証されないと言うことになります。

全くもって意味がわかりません。

 

村松議員は「こんなことをすると国の信頼が揺らぎ、事後の投資が減速すると言う声が必ず聞かれるが、それはあらゆる既得権益者が利益保護のために言うセリフで、それによって投資が減速することを証明できない」と滅茶苦茶な論理展開をしています。

 

まず第一に。僕も日本国民です。

日本国民が国の制度に参加する形で再エネに投資をしています。

借金をして1億円ほど。

 

利潤配慮期間の案件もあります。

自社から購入した案件。中古で購入した案件(2件)です。

 

この案件には罰金が課されると言うのです。

 

「国民からお金を取る再エネ賦課金は既に作られた発電所に支払うのではなく、これから作られる発電所に使うべきだ」

 

と村松議員はおっしゃっています。

このセリフ聞いて「よし、ラッキー!これからの発電所なら大丈夫!」と思ってしまう人はおそらくまともに投資ができない人でしょう。

 

「あいつらは制度をひっくり返す連中だ。海外に投資すべきだな。」

これが普通の考え方だと思います。

 

今だって採算の怪しい11円、12円の発電所からコスト見積もりが漏れている費用が加算されようとしているのです。

 

僕はこの論調は絶対に間違っていると思います。

 

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