以前、「融資を受けるために保証人が必要と言われたら」という記事を書きました。
この記事で書きたかったことは
◼︎地銀に融資の相談に行ったら「事業性ローンの場合、個人の資産内容を重要視する」と言われてしまった。
◼︎借主さんに資産がない場合、保証人をつけていただく必要があると言われてしまった。
◼︎保証人、、、それは困っちゃうから信用保証協会さんにお願いしてみようかな。。。
という内容でした。
のちのブログ記事のコメントでsmileさんが「信用保証協会の保証をつけても銀行はさらなる担保(ABL)を求めてきた」というコメントも情報としていただいています。
さて、今回は保証人についてです。
実は連帯保証人は民法の改正で原則禁止という方向になっているとか。
(wikipediaより)
中小企業が金融機関から融資を受ける際に求められる連帯保証人制度については、親しい友人や親族などの第三者に保証人を求めることを禁止する法案が、民主党、生活の党、社民党の3党合同で衆議院に提出され可決されている[1]。また、これに基づき今後民法が正式に改正される予定である。これに先立ち金融庁は2011年7月14日中小企業、自営業者への第三者連帯保証・禁止という金融庁監督指針を改正、即実行している。
(ここまで)
今は法案は可決されていて、金融庁が指針を出しているけど、民法が変わっていないという状態なんでしょうか?
この動きの意図するところは「実は自己破産の10%が連帯保証人制度によって発生している。連帯保証人を保護する仕組みが必要。」という文脈だと思います。
気持ちの上では理解できますね。
大いに。
でも貸す側からしたらどうでしょうか?
保証人と連帯保証人はその役割が実は違います。
保証人は債務者(借りた人)が完全に債務不履行になって資産もなくて自己破産するまで突っぱねられます。しかし、連帯保証人は極端な話債務者の返済がちょっと滞っただけでいきなり請求される可能性もあるわけです。
これは確かに連帯保証人は危ない匂いがします。
一方で、金融という観点からはどうなんでしょうか?
日本では、特に地銀では個人保証型の融資が殆どです。
個人保証型というのはつまり借金が個人につく形。(Aさんがお金を借りる)
そうでない借り方も本来はあります。AさんがやっているBという事業に対してお金を貸すというパターンです。例えばわかりやすいのは不動産です。あるビルがあって、その収益性がかなり高いとします。
そうすると、貸す側としたらAさんに貸すのではなく、このビル事業に貸してしまうのです。Aさんは自分の与信で借りなくて済みます。銀行からしたらこのプロジェクトにたいして貸すためAさんが他の金融機関から無理に借りたりするリスクを排除できます。仮にAさんがこのビルをCさんに売却した場合、不動産にセットでこの借金もついていきます。
このようなやり方をABL(Asset backed Loan)と言います。
今回の法改正の動きは基本的にはこのABLを根付かせていくというのが本筋だとおもいます。
このAsset Backedの意味するAsset(資産)としては実はFIT(全量買い取り制度)を利用した太陽光発電は最強です。アパートやマンション、そして土地は値下がりや空室がありえます。しかし、太陽光はきちんとした施工と動産保険さえかけておけば値下がりも空室もほぼないと言っていい事業です。
しかし、これがなかなか広まらない。そして流動性を生まない。
これが日本の悪いところだと思います。
仮にこれがアメリカだったら。
おそらくFITで作った債権を扱った債権商品ができるはずです。
昔のサブプライムローン商品のように複数の発電所の債権を細分化し(slice and dicing)10%の利回りの中の幾らかを債権保持者に回すような金融商品ができたはずです。
そしてその金融商品は厚生年金、医療年金、企業年金などの安定運用資金から積極的に投資されていくことになったと思います。
話がだいぶそれてしまいましたが、日本はおそらくこのままいくと思います。
民法が改正されても「保証人自身が了承し、面談を経た上で公文書に押印した場合は連帯保証人となれるものとする」とかそんな感じの抜け道を作るはず。
もうすぐ地銀さんから一つの回答がくると思いますが、その内容が楽しみです。
新潟はかなり保守的な県なので、地銀さんもABL的な考え方よりも個人保証型(金持ちに金を貸す)を選択するんじゃないかなぁ。。。
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