借金大好きhamasakiです。
北海道電力管内の出力制御見通しにおいて、「代理制御」の数値が16.3%という驚異的な数字を示しています。2025年度の見通しが1.47%であったことを考えると、桁が一つ変わるほどのインパクトです。
一方で、資料には興味深い数字も並んでいます。
- 旧ルールでもオンライン化すれば、制御率は 0.41% まで下がる。
- 全設備がオンライン化されれば、制御率は 1.38% になる。
この「16.3%」という巨大な代理制御の正体は何なのか?じっくり見ていきましょう。
元データ ↑ 北海道電力 2026年の出力抑制制御見通し
札幌市内のシミュレーションで見る「16%」の破壊力
まずは、札幌市内でパネル75kW、パワコン49.5kW、売電単価36円(税抜)の低圧過積載物件を例に、NEDOの日射量データから算出した「本来稼げるはずの売電額」をシミュレーションしてみます。
| 月 | 予測発電量 (kWh) | 売電額 (36円) |
| 1月 | 3,348 | 120,528円 |
| 2月 | 4,368 | 157,248円 |
| 3月 | 6,696 | 241,056円 |
| 4月 | 7,920 | 285,120円 |
| 5月 | 9,300 | 334,800円 |
| 6月 | 9,000 | 324,000円 |
| 7月 | 8,928 | 321,408円 |
| 8月 | 7,998 | 287,928円 |
| 9月 | 6,480 | 233,280円 |
| 10月 | 4,836 | 174,096円 |
| 11月 | 3,060 | 110,160円 |
| 12月 | 2,604 | 93,744円 |
| 合計 | 74,538 kWh | 2,683,368円 |
ご覧の通り、稼ぎ時は5月・6月です。
旧ルールは「年間30日まで無保証」というルール
ここで重要なのは、旧ルール事業者は「年間30日」までしか抑制を受けないという大原則です。
仮に、この稼ぎ時の5月に15日、6月に15日の代理制御(抑制)が発生したとしましょう。
- 5月の損失(15日分): 約162,000円
- 6月の損失(15日分): 約162,000円
- 2ヶ月合計の損失: 324,000円
この時点で「30日分」を使い切ります。年間の総発電量に対する割合でいうと 約12% です。
あれ? 北海道電力が言っている「16.3%」に届きません。
つまり、5月・6月を丸々半分止めて、上限の30日を使い切っても、まだ16%には達しないのです。これ、物理的に不可能ではないでしょうか。
AIとエネ庁、それぞれの言い分
この疑問をAIにぶつけてみたところ、「旧ルールでも実務上は時間(360時間)で扱われ、30日以上の制御が行われている可能性がある」との回答。
「いやいや、そんなはずはないだろう」と、hamasakiは直接エネ庁に電話してみました。
エネ庁回答:
「30日ルールはあくまで30日です。時間では制御していません。30日が限界です」
やはり30日は鉄壁でした。AIは時々こんな感じでしれっと新説を捏造してくるので要注意です。ワーキンググループでツッコミはなかったのか聞いてみると……。
エネ庁回答:
「ワーキンググループ内では細かい数字までは見ていません。見ているのは全設備での年間制御見込み量(北海道では1.78%)の数字だけです」
そして出ました、必殺の回答。
「細かいことは北海道電力さんに聞いてください」
北海道電力に電凸したものの……
というわけで北海道電力に確認を試みましたが、窓口となるネットワークサービスセンターでは資料の存在すら把握しておらず、担当者からのコールバックを待っているのが今の状況です。
hamasakiの予想では、北電の回答はこうでしょう。
「16%という数字はシナリオから算出した最大必要量であり、実運用はルール通りに行う」
しかし、それならこう言い返さなければなりません。
「旧ルールが30日で終わるなら、それを超える制御が必要な場合は、他のルールの電源(新ルールや指定ルール)に割り振るのが筋ではないですか? オンライン化がこれだけ進んでいる中で、オフライン(代理制御)だけをここまで過大に見積もり、事実上のペナルティのように扱うのは異常ではありませんか?」
次回予告
他にもエネ庁からは旧ルールの抑制の仕様(?)についても面白い話を聞けました。
次回のブログで北電からの回答と合わせて続報をお届けします。
- « 前の記事へ








コメントを残す