ソーラー税理士の資産運用過積載はお得なのか？①

事後的過積載を規制する動きが出ており、注視していく必要があると感じていますが、そもそも過積載ってお得なのか？
ということにちょっと疑問を持ち始めたので、数字を使って確認をしてみました。

まず、今回の確認にあたっての共通の条件を以下とします。

また、色々と調べている方のブログを参考にすると、パネル容量とピークカットの関係はおおよそ以下のような感じかと思います。

以下でパネル容量ごとに、パネル容量増加による発電量の増加、売電収入の増加、表面利回りなどについてまとめてみました。

ピークカットも0.5%程度で、ほぼ気にならないレベルなので、土地に余裕があればこのあたりまでは、過積載すべきでしょう。

■70KWからの発電量の増加
（70KW×1200KW×0.995）-（80KW×1200KW×0.97）＝9,540KW

■70KWからの売電収入の増加
9,540KW×25.92円＝247,277円

■パネル容量を増加させた分に対する表面利回り
247,277円/（10KW×18万円）＝13.7％

■パネル容量を増加させた分に対する利回り（20年平均利益/増加した設備価格）※
(（247,277円×20年）－（10KW×18万円）)/20/1,800,000＝8.7%

※投入した自己資金に対して20年平均でどれだけ利益が得られるか。以下により計算
A.増加した売電収入
B.増加した投資額

((A×20年）-B)/20/B

表面利回り13.7%とこのあたりまでは、過積載しても全く問題なさそうですね。
特に過積載に理解のある金融機関から融資を引き出せる場合は、載せちゃったほうがいいと思います。

ただ、融資を受ける金融機関に過積載への理解が薄く、パネル増加分について、自己資金で賄う必要がある場合は、その自己資金に対する利回り（投信的な利回り。こちらを参照）は8.7%程度となります。

まだまだ一般的な投信などと比べると高い利回りですが、考え方として、手元に資金を残すか、あるいは換金性の高い投資商品に投資することで資金を寝かせておいて、次の発電所の購入に備えるという考え方もあるかと思います。

■80KWからの発電量の増加
（80KW×1200KW×0.97）-（90KW×1200KW×0.93）＝7,320KW

■80KWからの売電収入の増加
7,320KW×25.92円＝189,734円

■パネル容量を増加させた分に対する表面利回り
189,734円/（10KW×18万円）＝10.5％

■パネル容量を増加させた分に対する利回り（20年平均利益/増加した設備価格）
(（189,734円×20年）－（10KW×18万円）)/20/1,800,000＝5.5%

表面利回り10.5%とまだ大丈夫そうです。
ただ、パネル増加分について、自己資金で賄う必要がある場合は、その自己資金に対する投信的な利回りは5.5%程度となります。

このあたりになると一般的な投信の利回りと大差がなくなってくるので、判断がわかれるところです。

自己資金が潤沢にあったり、発電所の購入はここで打ち止めといったケースでは問題ないと思いますが、総合的な判断の上、投資をするかどうかの意思決定を行う必要があります。

■90KWからの発電量の増加
（90KW×1200KW×0.93）-（100KW×1200KW×0.88）＝5,160KW

■90KWからの売電収入の増加
5,160KW×25.92円＝133,747円

■パネル容量を増加させた分に対する表面利回り
133,747円/（10KW×18万円）＝8.9％

■パネル容量を増加させた分に対する利回り（20年平均利益/増加した設備価格）
(（133,747円×20年）－（10KW×18万円）)/20/1,800,000＝2.4%

表面利回り8.9%とかなり微妙です。
そして、自己資金で賄う必要がある場合は、その自己資金に対する投信的な利回りは2.4%程度とこのレベルなら他の換金性の高い低リスクな商品をみつけられそうです。

さらに、今回の計算上は、投資額が増加することによる、償却資産税や保険料の増加分は加味していないですし、銀行融資を利用する場合でも、利息が発生しますので、20年間トータルで見ても手残りはわずかだと思います。

これでは銀行が融資してくれるといっても、やめておいたほうが無難かもしれません。

長くなってきたので、今日はここまでにします。

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