なんか最近過積載に走ろうとする人が増えて、中には200%とかいう人がいるみたいなので、ちょっと脇道にそれてその話題を。
昔、太陽光発電所を作るときに自分でも過積載によるピークカットでどのくらい影響がでるものかわからなかったので、NEDOの日射量データベースを元に調べてみたことがある。
ここのデータには各地点の年間時別日射量のデータがあるため、1年365日に渡ってすべての時間で発電量を推定できるので、それによってどのくらいピークカットされるのかシミュレーターを自作して計算してみた。
一応多照年、平均年、寡照年についてもやったが、とりあえず平均年について述べてみる。
パワコン出力を10kW 、パワコン効率を93%、1月から12月の温度補正による出力の低下率を 8%, 8%, 8%, 12%, 12%, 16%, 16%, 16%, 16%, 12%, 12%, 8%としてkW単価43.2円(税込)の場合の年収をシミュレーターで計算するとパネルの角度ごとの年収は下記のようになる。
kW単価が違う人は単純に比例するので変換してもらえれば。ちなみに表の一番したの比較というのはパネル角度30度でピークカットが起こらずに載せれば載せただけ収入が増えるとした場合の収入である。
実際に発電所を過積載で数年運用してみた自分の結果と照らしあわせても結構シミュレーション通りとなっていること。また、この表と図にはないけど、200%の過積載でのピークカット率を計算した方が同じように12%くらいという試算をしていることからスーパー過積載にも結果が適用されるのではないかと考えている。
ちなみにこれを見るとパネル角度30度の場合190%の過積載でも10%程度の低下で過積載もあり?全然儲かるし。みたいに見えるんだけど、それは全体でみた場合での低下率であって、過積載率が大きくなるとそいつが全体の足を引っ張って効率を下げている。すでにある程度過積載している人がさらに1kW増設する場合にその1kWがどれぐらいの効果があるかというのが一瞬わかりづらいので、多分勘違いしている人が多い気がする。
増設の効果としては表でいうと1kW増やしたときに左隣の金額に対してどれだけ収入が増えているかをみないといけない。そうすると過積載率が上がるにしたがって効果がなくなっていくのがわかると思う。(例えば角度30度の10kWから11kWに増やしたときには55,304円増えているのに、18kWから19kWに増やしたときには28,119円しか増えていない)。ちなみに多照年だとピークカット率が高いのでさらに悪化する。
表現的にはちょっと問題があるんだが、あえて、わかりやすく30度でピークカットなし40円(税抜)の売電価格に対して何円分の価値に下がったかというのを表にすると下記(*1)のようになる。見づらいので小数点以下はカットしている。
過積載率が上がると増設の効果が急激に悪化するのは感覚的にわかってもらえると思う。
というわけで、自分は200%とかのスーパー過積載には手をださないつもり。パネル価格がとんでもなく下がったら別だけど。
(*1)過積載だとパワコン増設が必要なかったり、買取年数が短くなるとかのいろいろな要素があるので、値が現在の買取価格より下だと利益がでないというわけではありません。でもあんまり安いと新しく作った方がましだよねということです。
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