昨日のブログ【危険】送配電網の維持・運用費用の負担の在り方検討ワーキング・グループ の議事録を読んでみたの続きの記事です。
この話の前提条件としては電気料金の決まり方というものが前提にあります。
今回話になっているのは「送配電網の維持コストを誰が負担すべきか?」というテーマです。
これまで送配電網の維持コストは一般消費者(需要家)が払っている基本料金をベースにされてきました。
送配電網維持コスト ⇨ 電気の基本料金
燃料費 ⇨ 電気の従量料金
という配分です。
これは送配電網の維持コストが固定費であることからもバランスが取れています。
しかし実際のところはどうなっていたかというと
しかし、実際のところは・・・
送配電網の維持・運用費用の負担の在り方検討ワーキング・グループ 第一回 配布資料より
こんな感じで電力コストは固定費が8割なのに基本料金で3割しか回収できていないそうです。
さらに今後電力需要が減っていくことをかんがると足りなくなりますよね?というのが経済産業省と電力会社の言い分です。
この点、委員会では「電力会社が総括原価方式の名のものと勝手に固定費増やしといて今更何言ってんだ」的なツッコミも入っていました。
発送電分離にあたり「送配電網のコストをどうやって負担するか?」という議論が勃発したのが今回の流れ
極端な話、今までの総括原価方式であれば、この問題は大きな問題にはならなかったはずです。
料金の改定や調整は経産省の許可を取ればできたわけですから。
一方で売電が自由化されてからはそうはいきません。
そこで今回のように「送配電網維持コストを誰が負担するかもう一度考えよう」というお話になってきているわけです。
その中の重要な案として「発電事業者にも送配電網の維持コストを持ってもらおう」という改革がまさに今仕込まれています。
重要なポイントは何か? 最終的には消費者が負担する
ポイントは「発電事業者が送配電網の維持コストの一部を負担することになろうと、最終的には消費者が負担する」という原則です。
つまり、最終的には電気代に転嫁され、国民負担になるわけです。
これは間違いのない事実です。
しかし、固定価格買取制度のもとにすでに売電を開始している発電所はこの原則から外れてしまいます。
当時のコスト、当時の前提のもとに売電価格を決め、IRR6%になるように売電価格が定められていたわけです。
そこには送配電網の維持コストは当然含まれていません。
当然ここに新たなコストが出てきてしまうと事業性が悪化します。
当時の約束から外れた話になってしまうので大口の事業者からは国を相手取った訴訟が起こることは間違いありません。
小口の発電事業者も集団訴訟に発展する可能性は十分あります。
だからこそ昨日のブログで書いた
「一度発電事業者が負担することがあってもそれは最終的に消費者に転嫁される」
ようなシステムが必要になってきます。
発電事業者が送配電網の維持コストを負担することの泣き所は?
議事録を読んでいるとだんだん見えてきます。
維持コストの負担の仕方ですが、送配電網維持コストが固定費である以上、契約kWベースでの基本料金の形で徴収することが前提になるはずです。
実はこれが再エネにとってかなり痛い話です。
太陽光発電の稼働率は13%前後。
50kWの契約をしていても、実際は発電していない時間の方がはるかに長いわけです。
一方、火力や水力や原子力はメンテナンス時期以外は稼働することができます。
一方で、送配電網の維持コストを支払うべき原資となる「売電収入」は当然ながら発電量⇨kWhです。
これは火力・水力・原子力含めどの発電事業者も同じです。
太陽光発電は支払う原資に対する負担の割合は火力・水力・原子力の6倍〜8倍程度の負担をしないといけない形に成ってしまいます。
一方原子力発電を保有している電力会社(関西電力)からは
「稼働できていない原子力発電所からも送配電網の維持コストをとるのか?」という質問がありました。
これに対しては東京大学の松村委員は「原発が送配電網の容量をグリップしているのなら支払うべき。当面使用しないものとして送配電網の容量を手放し、新たな参入者に解放するなら支払わなくてもいいのではないか?」と意見を出しています。
これはある意味では天晴れな意見。
この天晴れな意見を即座に回答できるわけですから、FIT制度の基本理念に基づき、20年の売電制度が破綻しない仕組みを構築していく必要があることはご理解いただけると思うんですが。。。
この
送配電網の維持・運用費用の負担の在り方検討ワーキング・グループ
今後も要チェックです。
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