7月6日にしれっと経済産業省の新エネルギーからでているパブリックコメント。
縦書きなことに加え、法律系の文章が全く頭に入らないという僕の低スペックな脳みそのせいで本格的に意味がわからず経産省の新エネルギー課にお電話しました。
今回の施行規則改正の意図は
・パネル容量の3%かつ3kW以上の変更は価格変更要件とする
というのが肝です。
つまり、一度申請した設備認定(事業認定)のパネル容量は今後基本的にいじれなくなるということです。
施行時期はパブコメの収集後、読み込んだら速やかに実施できる状態とのことで早ければ9月1日の可能性もあり得ます。
過去にさかのぼることはあり得るか?という話も聞きましたが、これは「基本線は施行後の変更にたいしての規則であるべき。しかしパブコメの中身を見てそのような意見が多ければ・・・」と言った内容でした。
ハマサキの論点
そもそも論として、これを縛ることに意味が全くないというのが僕の意見。
今回の施行規則変更が国民負担軽減に寄与するか?
過去案件の増設が今のFIT法による買取金額をどれくらい押し上げるのか?というお話です。
すでに5年が経過したFIT法。
導入普及量はなかなかの量ですが、実際増設できる案件はそんなに多くあるわけではありません。
最初から土地いっぱいにパネルを敷き詰めて設計するからです。
小さいところに目をつけて規制するよりも国の目標である再エネの導入普及に目を向けないとゴールにたどり着けません。
国の再エネ導入普及率向上という目標の達成に寄与しない
日本の再エネ自給率を上げていくことは国の目標です。
安倍政権は2030年時点での電源構成として再エネで22〜24%を確保することを目標にしています。
うち太陽光発電は全体の7%です。
しかし太陽光以外の風力、水力、バイオマスの導入は現時点では全く目処が立っていません。
経産省の資料を読んでも太陽光以外のエネルギーはほとんど増えていないことがお分かり頂けると思います。
つまりこのまま順調にいっても国の再エネの導入は2030年で7%にしか届かないことが予想されます。
風力や地熱が入らない分を太陽光発電で補うことができます
今は過積載で話が止まっていますが、最近だんだんバッテリーを入れて300%過積載や700%過積載という案件が出てきています。
こうなってくると太陽光はもはや変動電源ではなく、ベース電源です。
今後イノベーションが期待されている太陽光+蓄電池などで系統の安定化に寄与するような形の増設&変更の余地は残しておくべきです。
今の施行規則では、すべての案件において(稼働済み、未稼働をとわず)パネル容量が3%もしくは3kW上がった場合、調達価格(売電単価)を見直すことになっています。
仮にパネルが工場出荷時の不調で5年後に5割ほど壊れたとします。(生産ロットごとの不調が稀にあります)
この場合、5年で10%程度出力が上がっていた場合、3%の出力制限は楽に超えてしまいます。
価格を維持するために、パネルの枚数を減らさないといけません。
パワコンの設計が変わってきますし、そもそも国の目標である再エネの導入普及の機会を損失しています。
もったいない。
ということで明日、人生初のパブコメを書こうと思います。
こんな内容を書く予定
【制度自体について】
国民負担の軽減のため、40円、36円の高単価案件の増設による再エネ賦課金の増加は避けるべきである。
しかし、現在の案では認定された太陽光発電パネルの容量を3%変えたただけで調達価格が変わってしまう。
仮に250枚のパネルの低圧案件がパネル故障でパネルを入れ替えた際、10年後のパネル出力からすると3%は軽く超えてしまう。
現実問題メーカーの生産ロット自体に問題があることはあり、ロットごと交換という自体は起こり得るものである。
パネル故障による入れ替えで調達価格が変わることは本末転倒だし、そもそも国内の再エネ自給率を上げるという目標からするとパネルの性能向上による導入量増加は望ましいものである。
パワコンで出力を縛っていある以上系統に対する負荷も多くはない。
プレミアム単価以降の案件に関してはパネルの出力変動は調達価格変更の対象になるべきではない。
20円台の低単価案件が5%パネル出力が増えたとして、国民の賦課金はあまり増えないはずである。
むしろ日本の再エネ自給率向上に役立つ貢献度の方がはるかに勝っている。
【施行時期】
現状4月1日の改正FIT法のみなし認定制度が全く機能していない。
今の制度に合わせ土地を新たに買い付けてしまっている工事店やプロジェクトはみなし認定が下りないせいで全く認定変更が間に合っていない。
最低でも、みなし認定申請が全て通るまで、施行は延期すべきである。
工事店の倒産、投資家の破綻、銀行融資の焦げ付き、土地取引の不調(杭だけ打たれて使えない土地のみ残るなど)が確実に発生する。
9月末までにみなし認定申請を上げることが義務付けられており、その後3ヶ月を持って経産省より回答が来ることになっている。
事業者が変更申請をかけられるのはその回答をもらってからである。
全てのみなし認定申請が降りるまで、この施行規則改正はなされるべきではない。
個別の投資家ー工事店間の訴訟の他に、投資家と工事店が手を組んだ形の国を相手取った集団訴訟が必ず発生する。
風力や地熱などを含めた今後の再エネ投資に対する信頼性が一切なくなる最悪の自体になりかねない。
【結論】
現行の施行規則改正案は
- 導入範囲(プレミアム単価とそれ以外で分けるべき また 連系後のパネル変更による出力アップは認められるべき)
- 施行時期(みなし申請がすべて通ってから)
の2点に於いて見直すべきである。
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《1月12日 価格再設定!》【稼働中物件】宮崎県西都市39.78kW 16,980,000 (税込)
上の物件は売電期間が少しずつ減ってきていることもあり価格を再設定いたしました。
初めてコメントさせていただきます。
私も生きた心地がしません。私たち事業者は、多くの人が融資を受け、事業である以上当然のこととはいえ様々なリスクを背負っています。再生可能エネルギーは間違いなくこの国の為になるんだと信じて意義のある事業だと思ってやってきました。
にもかかわらず最近の風潮を見ますと、まるで私たちが悪徳な業者であり、国民に多大な負担を強いているかのような構図ができているかのようではありませんか。経産省はどこかの意向を忖度しているのではありませんか。私たちを応援するべきではないでしょうか。難しい事はよく分かりませんが、他のコメントにもあるように、今自分に出来ることをやりたいです。パブコメに入力します。
有意義な記事をありがとうございました。
「当該増加が三キロワット未満若しくは当該合計出力の三パーセント未満の変更の認定を除く」ですから、「3kW未満の増加」か「3%未満の増加」のどちらかに該当すればセーフではないでしょうか。
「パネル容量の3%または3kW以上の変更は価格変更要件」は「または」ではなく「かつ」ではないかと思います。
浜崎です。
パブコメの数が増えることはとても大事だと思います。
しかし、もっと大事なのは中身だと思います。
「投資家保護」というのは通常の投資案件では重要視されていて株式市場やSPC法などでも投資家は保護されるべきというスタンスです。
しかし、それは悪意からの保護です。
今回はどちらかというと「太陽光発電は国の為、国民の為にはどうあるべきか?」というスタンスが大事なのだと思います。
私も全く同意見です。hamaさんの文章は確信をついてるし、とても明快な文章です。素晴らしいです!
以前から増設を計画していた設備があり、新設案件を含めすでに融資いただいていたところ、増設手続きしようとしたら、JPEAのシステム改修が入り、その後みなし認定となり、申請できないままこのような改正案が出されました。金利を払い続けている状況で!です。
私のような弱小設置者からすると死活問題です!
最近はぐっすり眠ることもできません。ホント生きた心地がしません。先週やっとみなし認定がおりたものの、今変更申請してしまうと、制度施行前までに認定が降りなければ、最悪、いきなり買取価格が変更になる可能性があるとのことでした。
変更申請を出すべきか、諦めるべきか、、、
経産省に問い合わせたところ、とにかくパブコメに入力すれば、施行時期は後ろ倒しになるとのこと。昨日中に親戚名義も了承で使わせていただき2件の投稿をしました。
hamaさんのようなクレバーな方が同意見なのは心強いです。
お互い頑張りましょう!