「太陽光発電のロス率は20％という記事を見たんですが本当ですか？」
こんな質問をある方からいただきました。
このロス率20％の元ネタはこれです。
＞＞徹底解説 絶対に太陽光分譲投資を成功させる方法とシミュレーション
確かにロス率20％と記載されています。
１年間の発電量＝
３．５５（日射量）✕３６５（日）✕６０（ｋW）✕０．８（ロス率２０％）
＝６２，１９６ｋWｈ
またとある銀行の事業シミュレーションでは約16％のロス率で計算がなされていました。
実際どのようなものがあり得るのか見てみます。
元ネタの意図 20％のロスは発生するのか？
元ネタはあくまでも事業シミュレーションをする上でのお話です。
ざっくりと発電量を探る上で、パネルのワット数×1100で計算したものを「パネル発電量（kWh）」とし、そこに最大20％のロス率をかけることで概算的な事業シミュレーションとすることができるという内容です。
もちろん実際に発電シミュレーションソフトを使ってシミュレーションした方が性格ですが、それができない場合やシミュレーションソフトの検算をする方法として使うことができます。
どちらかというと「固めに、渋めに見ておいてそれで事業が回る予算を組んでみよう」という意図になります。
では実際のロスはどのように起こるのか？
ここからは実際の発電のお話です。
太陽光発電で起こるロスは以下のようなものです
1．パネル発電ロス
温度上昇などによるパネルの発電ロス。
過積載の場合はあまり問題にならない。
2．パワコン変換ロス
パワコンによって93％〜98％と変換効率が異なる。
3．ピークカット
パワコンの出力を超える発電をしている場合は超過した発電分がカットされる。
150％以上の過積載をかけていくと徐々に発生する。
200％の過積載で8〜10％近辺か？
4．温度上昇抑制
パワコンの温度が一定温度を超えた場合に発生。
5．電圧上昇抑制
系統側（送電網側）の電気使用量が少ないとで電圧が上がってしまう。
そのため、太陽光発電側の電圧では電気を押し出せなくなり売電ができなくなってしまうこと。
パワコン側の電圧をあげて対応することが多い。
6．出力抑制
九州、四国、中国、東北エリアで発生しうる。
発電量のわりに系統側の需要が少ない場合、再エネ側の出力を下げて同時同量（発電量と使用量を同じレベルにキープする管理方）を達成する。
天気がいいゴールデンウイークや需要の少ないお正月、お盆などに発生する。
こんな感じです。
パネルメーカーが出してくるシミュレーションは2のパワコンの変換ロスまでは見ていますが、ピークカットは見ている場合と見ていない場合があります。
ここは要注意ですね。業者に確認しましょう。
そしてそこから下のロスですが、、、
残念ながら実際に運用してみるまでよくわからない部分です。
個人的に影響が大きいなと思うのはこの「新潟県で史上発の40度越え 北陸では初 地球暑すぎ問題」で書いた通り温度上昇抑制はある程度影響はあります。
ですがこれは現地に扇風機でも付けない限り解決できないので難しいです。
メーカーシミュレーションから上ぶれする部分もありますから（メーカーシミュレーションは直射光で評価することが多いが、自然界には散乱光もあり、それで1割発電が上がる）この辺のロスは相殺されるケースがほとんどです。
ただ、どうしても相殺しきれないのは残念ながら異常気象や積雪による発電の停止です。
雪国の発電所はメーカーシミュレーションよりも下がりますので、そこは注意が必要ですね。
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