パネルの費用やパワコンの費用は量産効果で年々下がっています。
そのおかげで太陽光発電に掛かる初期コストは年々下がっています。
以下、資源エネルギー庁の資料からの抜粋表です。(p.14)
kWあたり36.9万円というと50kWで約1845万円。
過積載率や土地など色々条件はあると思いますが、いい線いってる価格かもしれません。
これらの価格を押し下げているのは基本的に部材の量産効果です。
土地費用と施工費用の2つはなかなか下がっていかないのではないでしょうか?
いくらパネルの価格が下がっていっても、施工費も同じように下がっていかない限り本格的に太陽光発電所が割安な電源にはなり得ないように見えてしまいます。
一方で、固定価格買い取り制度の買い取り価格(H28年度が24円/kWh:税別)から見ると、前回の記事でお話しした通り、実はすでに家庭で使用している電気料金よりも安い価格です。
裏を返すと固定価格で20年間売電するよりも自分で使った方が得な状態にすでになっています。
このまま固定価格買い取り制度は下がっていくでしょうか?
僕はここが一つの底値に近い状態で、ここから先は下がったとしてもゆっくりになるのではないかと思います。(裏を返すと建設費用を下げる余地が少なくなっているということです。発電効率のイノベーションが必要です。)
さて、「脱」固定価格買取制度 の大きなお話しも少しさせてください。
実はFITの契約期間が終わる20年後に僕らのビジネスが日本を大きく変えるかもしれません。
20年後、その発電所の固定価格買取期間が終わると契約単価は国が決めた価格ではなく、電力会社が決めた買取料金になる筈です。
その時40円/kWhだった発電所の電力買い取り価格はいくらになるでしょうか?
仮に10円/kWhだとしたら、日本中に「割安な発電所」が一気に誕生することになります。
しかも為替や原油価格にまったく依存しない国産のエネルギーです。
「電気料金が高くなる」といって敬遠されることもある太陽光発電ですがこのお金は20年後に割安な発電所を誕生させるための投資なのです。
その賦課金とはまったく逆の意味合いを持つのが「燃料調整費」と言われる金額です。
あれは乱高下する原油価格とそれに連動して価格が変わる天然ガス価格に対応するために電気を使用する人たちが払う費用です。
あれは投資ではなく100%費用です。
あれを払っても世の中には何も生まれません。
今回は
◼︎グリッドパリティ
◼︎20年後の売電単価が日本に貢献するのではないか
という2つの観点から記事を書いてみました。
長くなりましたが最後まで読んでくれてありがとうございます。
20年後の発電状態を想像すると、発電所の管理やパネルメーカーの選定はさらに重要になってきそうです。
僕らの発電所は20年後、30年後も発電を続けてくれる発電所であり続けられるでしょうか?
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