【 拡 散 を 希 望 し ま す 】
昨日、政府が原子力発電所など原子力関連施設を抱える地方自治体向けの電源三法交付金の配分方法を見直す方針を固めました。これは、『再稼働した原発の自治体向けの交付金を手厚くする一方、停止中の原発についてはこれまでより減らす』ということです。これを受けて、そのほかに政府が進めている原発保護政策「原発の電気価格保証制度」について、その仕組み・背景・そして報道各社の過去の記事をまとめてみました。”原発救済のための負担金”を徴収されたくない方は是非ご一読下さい。
【1.仕組み】
今後の電力自由化で、「電気の市場価格」が「原発による電気のコスト」を下回る場合に、その差額を電気料金に上乗せして利用者に負担させる。
【2.背景】
(1) 2016年の電力システム改革で新電力が小売に参入する → (2) 電気代が安くなる(競争原理や再エネ普及) → (3) 相対的に原発はさらに割高に → (4) 電力大手は経営困難に陥る→ (5) 電力大手の保護・救済を国民負担で実施する(しかも原発が無くなるまで国策で)。
【3.記事まとめ】
各紙が報じている通り、安倍政権はこのような原発救済計画の検討を進めています。これが日本の基幹電源の実態です。これまで「安い電源」とされてきた原発が、実際には自由競争化では耐えられないほど高いことを国は認めたということ。さらに利用者にコストを転嫁する制度まで導入しようとしているのだから批判は当然のこと。
▶日本経済新聞『原発の電気に価格保証制を提案 自由化にらみ経産省』
http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040004_R20C14A8000000/
”政府の掲げる脱原発依存の方針や、「原発は安価」としてきた従来の政府側の説明と矛盾する可能性がある。価格保証で消費者の新たな負担も必要になり、世論の反発を招きそうだ”
▶ロイター『原発の電気「価格保証」に経産省意欲、利用者転嫁強い批判も』
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GL1G120140821
”ただ、推進側が「安い」と主張してきた原発の電気は実際は高く、維持存続のために利用者にコストを転嫁する制度には強い批判が予想され、日本が英の取り組みにならうかどうかは不透明だ”
▶東京新聞『【社説】政府の原発支援 なぜ、負担強いてまで』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014090302000139.html
”経済産業省の有識者会議でひっそりと話し合われるこの案は、多くの示唆を与えてくれる。例えば、これまで「安い電源」とされてきた原発が、自由競争に耐えられないほど高くつき、地域独占市場の中でなければ原発事業は成り立たないのを、国も認めているということだ”
▶東洋経済『政府はまず「原発は高コスト」と認めよ』
http://toyokeizai.net/articles/-/49345
”米ゼネラル・エレクトリック(GE)のイメルト会長兼CEOも、「原発を経済的に正当化するのは非常に難しい」などとメディアに語っている。日本もまず、原発は高コストだと認めたうえで議論すべきだ”
▶東洋経済『原発優遇策をねだる、電力業界の本末転倒』
http://toyokeizai.net/articles/-/49348
”「競争環境下で原子力発電をこれまで通り民間が担っていくには、予見性を持って事業に取り組める環境整備が大事。費用が確実に回収されることが大事だ。そのための官の支援を是非ともお願いしたい」。9月19日の定例記者会見で、電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)はそう訴えた”
▶産経新聞『自由化後も原発の電気価格保証 建設・廃炉費用確保へ』
http://www.sankei.com/life/news/140822/lif1408220018-n1.html
”電力会社は電力小売りの全面自由化や発電と送配電部門の分離が進むと、原発の維持が難しくなると訴えている。これを受け、経産省は「官民の役割分担の見直しや新たな政策措置が必要」として、国の関与を強化する姿勢を強調した”
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