次年度中に原発がすべて不要に!太陽光発電固定買取価格が維持を

$太陽光発電所投資実行中!地球にも自分の懐にも優しい生き方を開拓する新エネルギーマニアの諸国漫遊記 買取価格値下げに対する日経新聞の記事が非常に誤解を受けやすい内容なので紹介します。 (以下引用) ” 固定買い取り価格制度の1年目にあたる12年度に、太陽光の買い取り価格は1キロワット時42円だった。太陽光発電に必要なパネルなどが高価だったこともあり、小規模な一般家庭にも設置しやすいように他の電源より割高な優遇価格を設定した。  この優遇価格が支えとなり、太陽光発電は爆発的に普及した。12年度は4~12月に原発約5基分に匹敵する512万キロワットの設備が政府に認定を受けた。再生可能エネの発電設備のうち政府に認定を受けた9割以上が太陽光。価格が安い地熱、風力、中小水力、廃材などを使ったバイオマスで運転を開始した件数は1桁にすぎない。” (引用終わり) この記事で気になるのが以下の点です。 ・設備認定数→太陽光発電の普及数 ・発電設備出力→発電量 ・価格設定→偏った普及 という誤った認識を読者に植え付けかねない事です。日経新聞にだけはこのようなレベルの記事を書いてほしくはありません。 ▼設備認定数と実際の普及数 太陽光発電所を作るにはその地域における電力会社との契約および経済産業局への申請が必要となります。設備認定とは経済産業局への申請が認可されたことを示します。 50kW以上の太陽光発電所(大抵は1000kW以上のメガソーラー)を計画する時には、電力会社との契約前に面倒な申請があります。 発電所建設予定地で発電をした場合、電線や変電所がその負荷に耐えられるか、またその地域の電圧が著しく変動しないかなど細かいチェックをしなければいけないのです。 そのため、電力会社に申し込んで有料(21万円)でその検討を行なってもらう必要があります。これが接続検討、アクセス検討(電力会社によって名前が違う)と呼ばれるもので3ヶ月かかります。この申請には非常に手間がかかります。 一方、経済産業局向けの設備認定は電力会社向けの申請を簡素化したようなものであり、申請から回答までの期間も1ヶ月程度です。申請に費用もかからないため、通常は電力会社向けの申請と同時に設備認定の申請を行います。 この設備認定は形式審査のみなので書類が揃っていれば予定地の実情とは無関係に認定がおります。この形式的な認定がされた数をまるで発電所が太陽光発電所の建設された数のように報道している事は非常におかしな話です。 設備認定を受けた発電所でも、電力会社の検討結果によって出力を制限されたり、非常に高額な工事費が必要だったり、そもそも新たに電力を受け入れるだけの空き容量がなかったりと様々な理由で計画が中止されることがあります。 また、進んでいた計画でも融資がつかず頓挫する計画や、ひどい業者になると地主さんとの契約どころか話もしていないうちから申請手続きのみを進めるようなケースもあります。12月になってようやく、設備認定の申請時に地主の同意書が必要となりましたが、謄本を添付するわけでも罰則規定があるわけでもないため、その手の業者ならいくらでも回避していることでしょう。 このように設備認定の数だけをもって、太陽光偏重とみなしてしまうのはおかしな話です。 ▼発電設備出力と発電量 原発約5基分に匹敵する512万キロワットの設備。これはひどい話です。確かに原発は1基あたりだいたい100万キロワットですが、電力需給の話をする際にはだいたい稼働率が80%とみなされます。太陽光発電所の場合は10~13%程度とみなされるので100万キロワットの太陽光発電所が7、8基分必要となります。 原発の代替エネルギー源として太陽小発電が否定されるときはこの稼働率が問題となります。しかし、24年度における日本の原発の稼働率は2%程度。もし今年度の太陽光発電導入量が本当に512万キロワットだとしたら原発25基~30基分の電力をまかなえることとなります。 この記事を元にすれば今のスキームを維持すれば来年度中に日本中の原発が不要になります。だとしたら多少の電菱価格上昇くらいは当然受け入れるべきです。原発事故以降に我が国が受けた風評被害額に比べたら微々たるものでしょう。 ▼価格設定と偏った普及 太陽光発電が風力、中小水力、廃材などを使ったバイオマスなどと比べて価格的に有利だから爆発的に普及したわけではありません。もちろん価格面で魅力的だった面は否定できませんが事業推進における障壁が非常に低いことが一番の理由です。 太陽光発電所を作ろうと思った時に、開発許可など行わなければいけない手続きは出てきますが、半年も1年もかかるような手続きはほとんどありません。地元住民からの反対運動もほぼ皆無です。 一方、風力や中小水力は地域住民や自治体の同意など時間を掛けて行うものが多々あります。また、バイオマス発電は持続的に十分な量のバイオマスを確保できるかが難しいため、やはり企画に時間がかかります。 この記事では12月までの設備認定の結果を元に書いてありますが、FITが導入されてから半年では、事業を十分に推進するには時間がなかったことが、その他の発電が太陽光発電に対して遅れている最大の原因となります。 これを太陽光発電偏重と言い切ってしまう政府の発表にがっかりしていただけに、あの日経新聞にはこのレベルの記事を書いてほしくはなかったと強く思います。 この投稿のタイトルに?をつけるか!にするか迷いましたが、新聞記事がこれだけ偏重報道しているのだからこれくらいはしていいかと思いました。もしがっかりされた方がいらしたらすみません。一人でも多くの方に事実を知って欲しかっただけです。
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