米スタンフォード大学は提言書を通じて「米国が 2050 年までに化石燃料依存から脱却して、同年に、エネルギー構成比率の 100% を再生可能エネにすることは実現可能である」として、具体的なロードマップを示しています。ちなみに、”技術の進歩や普及による供給価格の下落等”の条件は一切含んでおらず、現在の技術で実現できるとのことです。この計画を発表したのは、同大学のマーク・ジェイコブソン教授。シカゴで開催されたアメリカ科学振興協会 (AAAS) の2014 年の年次会合で、米国の 50 の州それぞれが、100% 再生可能エネを実現するために、ベストなエネルギー割合を示されました。また、ジェイコブソン教授は、この日発表した論文を以下のように締め括っています:
『 100% 再生可能エネルギーは実現可能です。そして、転換における最大の壁は、技術的でも経済的なものでもありません。それは、社会または政治の壁です』
こちらのリンクから、地理的・経済的条件の異なる米国 50 州に向けた 50 のプランが、見やすいインフォグラフィックスでご覧頂けます。
http://thesolutionsproject.org/infographic/
(1) 地図上でカーソルを動かすと、
それぞれの州に最適な再生可能エネルギーミックスが表示されます。
(2) そして、ある州をクリックすると、100% 再生可能エネの実現によって
「創出される 40 年間維持可能な雇用者数」、「削減されるエネルギー需要・消費量」、「削減される健康被害や気候変動被害といった外部費用」、「減少する大気汚染による年間死亡者数」、「必要とされる土地面積」、「削減される発電コスト(電気料金)」、それにより「捻出される個人貯蓄」などの様々な予測が、インフォグラフィックスで分かりやすく、具体的に表示されています。
例えば、ブッシュ前大統領(共和党)の選挙区であり、そして石油産業がとても強いテキサス州の場合、化石燃料と原発による平均エネルギーコストは kWh あたり 14.1 セントですが、健康被害や気候変動被害といった外部費用が、これに別途 kWh あたり 5.7 セントかかるとのことです。これに対して、テキサス州のWWS(風力、水力、太陽光)による平均発電コストは kWh あたり 5.7 セントとのことですから、結論として、電気料金は大幅に下がるという予測です。
科学的・学術的根拠に基づく、100 % 再生エネルギー実現のロードマップ、日本でも、47都道府県ごとに、こういう一般的に分かりやすいプランを示して欲しいです。
Stanford | News, February 26, 2014
Stanford scientist unveils 50-state plan to transform U.S. to renewable energy
http://news.stanford.edu/news/2014/february/fifty-states-renewables-022414.html
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