50kW太陽光発電用パネル探訪記 三菱電機に行って来ました 2013年5月23日 (カテゴリ: ▲元気があれば太陽光発電も出来る!PR作戦) ツイート 50kW太陽光発電所向けパネルメーカー訪問記第二弾として、東京駅徒歩1分にある三菱電機さんにて太陽光発電計画部のKさんと広報部のTさんにお話を伺って来ました。 個人的には今までご縁のなかった三菱電機のパネルですが、自宅の近所の電器店の取り扱いはがなぜか三菱電気ばかり。その秘密はどこにあるのか。  【三菱電機の太陽光パネルについて】 三菱電機の太陽光パネルの研究が始まったのは1974年のサンシャイン計画から。1982年から公共・産業用太陽光発電システム事業に参入し、1996年には家庭用太陽光発電システム事業に参入しています。産業用だけでノウハウの蓄積が30年あるからこそ長期的視点になるのかもしれませんね。 2005年にはパネルの年間生産能力を135MWに、2011年には270MWに拡大。現在では多結晶のラインを全て単結晶のラインにしたのでその分、出力で見た生産能力は上がっています。 生産は全て国内。岐阜県の中津川製作所、長野県の飯田工場を経て作られたセルが京都工場でモジュール化されています。 近年は住宅用をメインで行なっていたため、昨年は住宅用が9、産業用が1といった状況でした。しかし今年の出荷の割合はほぼ同じ程度。住宅用も産業用も上期の生産分は全て受注済みとなっています。 その産業用もほとんどがメガソーラー向けのもの。今までは50kW太陽光発電所にパネルを回す余裕が最近までありませんでした。最近では家庭用太陽光発電の販売店が産業用も扱えるようにして50kW太陽光発電所向けの販売体制も整っています。 【三菱電機のパネルの特性 生涯発電力とは】 三菱電機のパネルの発電方法そのものは通常のシリコン結晶系なので特別なものではありあせん。しかし、通常は2本のバスバーを4本使用した電極セルを導入することによって電気抵抗を軽減し、モジュールの変換効率も更に向上しました。 また、最も注目したいのはその耐久性。モジュールの保証は20年となっていますが、パネルの劣化、事故のリスクを極限まで抑え「生涯使えるパネルによる生涯発電力」がコンセプトとなっています。具体期にいくつか例を挙げると ●万が一の燃焼事故対策 一箇所にまとまっているパネルの端子ボックスを2つに分けた上、金属カバーも内部に設けて万が一燃焼事故が起こっても火災に繋がらないようにした製品仕様 ●水分侵入対策 三相バックフィルムを採用して水分の侵入を徹底的に避けつつ、フレームからのパネルまでの距離も徹底管理。さらにIECの二倍厳しい基準で高温高湿試験を実施。 ●タブ線切れ対策 セルをつなぐタブ線が切れる事を避けるため、セル間隔の適正化、精密なセル配置技術、IECの5倍の基準で温度サイクル試験を実施 ●2mの積雪に耐える仕様 モジュールの背面にプロテクションバーを採用し、積雪によるパネルの破損リスクを回避 ⇒パネルが物理的に壊れる際は内部の損傷はほとんどなく、中心部に負荷がかかった時に歪でガラスが割れるのだそうです。 などなど。これ以外にも家庭用太陽光発電システムで、長年にわたって蓄積されてきたノウハウを余すところ無くモジュールの仕様に還元しています。 【三菱電機のパネルと太陽光発電の未来】 短期的な視野で者を考えると、FITで保証されている期間が20年であること、ならびに金融機関がパネルの特性からプロジェクトファイナンスをつけることが出来ていない現状では、生涯発電力をうたった三菱電機のパネルを導入するメリットはどうしても低く見えてしまいがちです。 しかし、エネルギーの価格の未来について冷静に考えてみてください。 ここ数ヶ月、アメリカでも日本でも株価が上がり続けています。この原因はもちろん個々の政策に対する将来への影響の期待もありますが、ほとんどが通貨流通量の上昇による貨幣価値の減少を反映したものと考えていいでしょう。 20年後に今の1万円がいくらの価値になっているでしょうか。日本政府は2年で2%のインフレを起こすと宣言していますから、この1万円を2年後には102万円にしていなければ損をしてしまいます。 もし、これが20年続くと今の1万円は8200円程度の価値しか持たないことになります。この20年のうちに大きな戦争や極端な気候変動、機器的な疫病でもなければ、必ず世界の人口は増え続けます。当然ことながら資源や食料、水の争奪戦も当然激しくなることでしょう。 そんな20年後、FITが終わった後の太陽光発電の買電価格はいくらになるのでしょうか。私は必ず42円などというレベルではないと思っていましたが、Kさんが言った言葉が印象的でした。 「家庭が電力を買うより作った方が安くなる時代も十分ありえますから」 確かにそんな未来も十分考えられます。 使い捨て前提の安いパネルで20年買電した時と、三菱電機製のパネルで20年売電した時に、利益の差は数百万円は出るかもしれませんが、20年経った時にその数百万円が、今の価値にしてどれだけの価値があるかの保証はありません。もちろん途中で故障して損をするかもしれません。 しかし、30年目線で作られている三菱のパネルを使えば、まず損をすることはないでしょう。そして20年後にも必ず高い価値があるであろう電力を確実に供給し続けてくれます。1円の価値がどれだけ変わっても、毎日の食卓にお米を届けてくれる先祖伝来の美田のように。 長期優良住宅のの横に、三菱電気のパネルで50kWt太陽光発電所を設置しておけば年金代わりなんて言うレベルではなく、子孫数代に遺せる財産になりますね。蓄電を含めスマートグリッド化も進むでしょうから、震災に遭ってライフラインをズタズタにされても、ほとんど生活に影響の出なかった孫が、私に感謝してくれる事でしょう。 やはり直接お話を伺ってみないとイメージが湧きづらいものですね。KさんTさん、ありがとうございました。 « 前の記事へ 次の記事へ » ツイート 関連記事 太陽光発電の電力から石油が作れるようになる時代が到来? 水と炭酸ガス(二酸化炭素)から石油を作ることに成功したとのニュースが飛び込んできました。以下、朝日放送のHPより引用です。 http:// 記事を読む 再生可能エネルギーで電力自給率700%の国アイスランドから帰国します 再生可能エネルギーで電力自給率700%の国アイスランドから コペンハーゲンまで帰ってきました。 いつも海外リポートを書くと長編に 記事を読む アゼルバイジャン友好訪問団に参加してきました2 アゼルバイジャン友好訪問団に参加してきました1 https://goo.gl/Aau7SE の続きです。 ドーハ空港はとにかく大きく 記事を読む 太陽光発電研修@ドイツが終了しました 四日間に渡るドイツでの研修が終了しました。 最先端の太陽光発電事情を学び、自身が発信してきたことや これから発信しようとしてきたこと、 記事を読む 太陽光発電ムラがPV EXPOに出ることになりました 太陽光発電ムラを3月2日〜3月4日に開催される PV EXPOでPRする事になりました。 と言ってもブースの一角に間借りして ポスターを 記事を読む アゼルバイジャン政府系のサイトでご紹介頂きました なぜかアゼルバイジャンの政府系サイトに 私の名前が掲載されちゃいました(^_^;) http://goo.gl/MCTnmI 日本アゼル 記事を読む 世界最大の太陽光発電展示会インターソーラー@ミュンヘンに行ってきました5 世界最大の太陽光発電展示会 インターソーラー@ミュンヘンに行ってきました1 世界最大の太陽光発電展示会 インターソーラー@ミュンヘンに行 記事を読む 全力で私の変態ぶりをカミングアウトしています 講師オーディション予選投票が始まり10日がたち順位の中間発表がありました。 8位までが予選通過の中、64人中12位と意外と健闘しています。 記事を読む 3月3日PV EXPO見学ツアー開催のお知らせ 3月3日の太陽光発電の日本最大のイベントPV EXPOにおいて 昨年行ったPV EXPO見学ツアーを今年も開催することとなりました。 集 記事を読む サラリーマンでも参加できる50kW太陽光発電所投資の持つ意味 50kW太陽光発電所の費用対効果が検証されるにつれて メディアから否定的な意見も見られるようになりました。 そのほとんどは低リスクなのにリ 記事を読む コメントを残す コメントをキャンセル 名前(必須) メールアドレス(必須/公開はされません) ウェブサイト コメント(必須) 次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>
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