はパネル表面にあてるだけで、パネルバスバーの発電電流を感知する
メンテナンス道具「ソラメンテ」であった実際の話。メーカーのアイテスさん
から頂いた情報が非常に良い内容だったので共有させていただきます。
現場は4×4=12枚のパネルがほぼフラット(10度)に配置されていました。横向バスバーなので上から下へスキャンして、Solamenteは正常に反応しました。センサー角度を90度変えて点検してみると、2枚目のパネルでSolamenteが反応しなくなったり、不安定な状態になりました。 点検しているパネルには全面に日照があり、十分に発電しているはずですが反応がない。横にスキャンするので少し背伸び姿勢で、1枚目のパネルのほとんどに点検者の影がかぶっていました。
モジュール(パネル)は3つのクラスタで構成されており、 点検中のクラスタの一部セルに影をつくると、直列のクラスタが発電しなくなり、バイパスダイオードでそのクラスタはバイパスされます。したがって、点検中のパネルには、影をつくらないようガイドしてきました。ところが今回は、点検パネルに影をつくっていないのに、時々発電しないような状態になったのです。 これは、パネルではなくストリング系統の問題でした。
ストリング出力の約20%以上を失うとストリングの全パネルが発電しなくなります。パワコンはPmaxで運転しますが、点検していないパネルが無意識な影で発電しなくなると系統電圧は低下します。系統電圧が約80%以下の値になると、他系統からの流入を避けるため接続箱のブロッキングダイオードが働き、その系統の発電を停止します。今回は4パネル/ストリング構成なので、1パネルで25%の電圧低下となり、系統全体が発電しなくなったのです。
点検中のパネルに影をつくらないのは大原則ですが、点検していないパネルを非発電状態にするとその系統の電圧降下が起きる、ことを再認識しました。パネル数が少ないストリング構成のものは、特に3クラスタを横切りパネルの発電ができないような影をつくらないよう、配慮が必要です。 点検パネルだけではなく、全体系統構成を頭に入れた点検を行いましょう。系統が不明なシステムでは、ストリング単位で稼働させ、Solamenteでチェックすれば簡単に構成(ストリングマップ)を把握することができます。
メンテナンスをするにもやはり知識は重要ですね。
このレポートは太陽光発電システムを理解する上で非常に
良い事例だと思います。アイテスさんありがとうございました。
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