太陽光パネルの劣化を防ごう 表面コーティングの研修に行ってきました1のつづきです。
まずは座学から。
私は工学部出身なのに物づくりの道を
断念せざるを得なかったほど不器用です。
そのため今後も施工をする気はないので
こちらの内容を把握するのが私の目的でした。
というのも表面の浄化目的のための
コーテイングというと通常は光触媒です。
光触媒といえばほぼ酸化チタンを意味します。
酸化チタンでガラスや建物の表面をコーティングしてやると
油汚れが分解されたり、水滴ができずに汚れが
流れやすくなったりします。
当然、酸化チタンを使っているものなのかと思って
話を聞いてみると酸化チタンは入っていませんでした。
主成分はシリカ(二酸化ケイ素)なのでガラスと同じです。
こちらがコーティング前後の拡大写真。
光学で見れるレベルではないので
走査型電子顕微鏡(SEM)のイメージ画像でしょう。
色は深さを表現しているだけで
実際に茶色くなるわけではありません。
写真左がコーティングをする前、
右がコーティングをした後となります。
するともともと水がくっつきやすい性質
(親水性と言います)の太陽光パネルの
ガラス表面がさらに水とくっつきやすくなります。
するとどうなるか。
写真は左右が入れ替わり左がコーティングされたもの
右がコーティングされていないものです。
写真で見てわかる通りガラス表面についた水が
うすく引き伸ばされます。
左がコーティングをした部分、右がそのままの部分です。
コーティングをしたパネルは水がパネル全体に広がりますが
コーティングをしていないパネルは水がダマになります。
このようにダマになった水が乾くと余計な成分が
パネル表面に残り劣化の原因となります。
逆にコーティングがしてあると表面に薄い水の
膜で常に覆われた状態となり汚れが非常に
付きづらくなります。
成分から考えると光触媒やコーティング剤というより
表面改質剤と言う表現が正しいのかもしれません。
「表面の材質を変えればいいのならなぜ
パネルメーカーは事前に対策を行わないのか」
という疑問を抱いた方は鋭いです。
こちらのコーティング剤は効果があるパネルと
ないパネルがあり、効果があるパネルのデータは
既にメーカーさんの方で保有しているそうで
後ほどこのデータを頂けることになっています。
またパネルに対する知見が増えるのが楽しみでなりません。
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