(オムロンソシアルソリューションズ HPより)
オムロンがパワコンのレンタルサービスを開始しました。
なるほど。
これは無しではないですね。
なるほど。
パワコンのレンタルが無しではない理由。
1 パワコンは壊れる
まずはこれですね。
パワコンは壊れるのです。
実際FIT初期の5〜6年経ったパワコンは故障が増え始めてきている実感があります。
実際は保険に入っていたり、メーカー保証の範囲内だったりするので大きな損害は出ていません。
しかし田淵の10年保証が切れる5年後はおそらくパワコンを変えると思います。
(ソーラーエッジへの今の段階での変更も考えていますがw)
2 パワコンの寿命がFIT期間よりも短い(と思われる)
まぁ、これも同じですが、事業計画上も10年目にパワコンを3分の1位入れ替えるような計画を考えたりしている方が多いと思います。
このギャップを狙ってソーラーエッジは「今変えちゃいませんか?」をやっていますし、オムロンはグループ会社のオムロンソシアルソリューションズを使ってこのレンタルプランを開始したのでしょう。
3 パワコンの性能は5〜10年で大きく変わる
また、パワコンは5年前とだいぶ性能が変わりました。
オムロンのKPVと旧型のKP55Mで比べると電圧限界が上がっていますし、温度限界も上がっています。
当然返還効率も上がっています。
ただ、オムロンはどうしても監視装置がエコメガネですし、海外のパワコンメーカーの進歩にはおいて行かれているという印象です。
逆にサービスが国内で完結しているところは大きな魅力ではあります。
レンタルプランのコスパは?
さて、このレンタルプラン。
コスパはどうでしょうか?
ローンや現金一括より、レンタルの方がトータルでお得だと書かれています。
まぁ事業者が直接言っていることなので・・・
ってところもありますが、僕が見ると実際は現金一括はもっと安いです。
当たり前ですが、今現金一括で買うのが一番安いです。
ではローンの場合はどうかというと、これは今支払う金額ではないですから比べることはできません。
会計学やファイナンスの分野ではこれを「現在価値に割り引く」という作業をして評価します。
こうして現在価値に割り引いて評価すると実は現金で一括で買うよりもローンを組んだほうが割安になるのです。
トータルで支払うお金はもちろん増えます。
しかし手元の150万円周辺の金額を使わないで済みますから、そのお金は他の投資に回せます。
そう考えると、ローンで買うのが一番安いのです。
それに比べるとレンタルは当然割高になります。
(もちろんローン同様現金は温存できる)
しかし、レンタルにはローンを含めた買取にはないメリットがあるのです。
それは所有しないことの強みです。
資産を保有しないので固定資産税はかかりません。
廃棄費用もかかりません。
持ち主はオムロンソシアルソリューションズになるからです。
お金を今使わなくて済む。
銀行の与信を今使わなくて済む。
何かあったら持ち主が修理してくれる。
これが強みでしょう。
致命的な問題点 それは 現在のパワコンがKP55Mでないと契約できないこと
ここまで調べてガクッと膝が崩れたのはこれを見つけた時です。
これです。
なんと現在KPMシリーズで発電所を持っている方で、2012年、2013年運転開始の方のみ。
田淵単相、山洋単相、三洋単相、三菱単相、SHARP単相を所有している人はサービス対象ではないのです。
びっくり!!!!
これらのメーカーのオーナーは結構不満あると思いますよ。
今の自分のPCSに。
シェア取れるチャンスなんですが。。。
まぁ、レンタルサービスというと自社のバランスシートがどんどん大きくなってしまうので、そこまで大きな風呂敷を広げたくないのかもしれません。
社内でサービスを推進したい人と、歯止めをかけたい人がいたのかもしれませんね。
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ichikaさん
コメントありがとうございます。
なるほど。
「もともとオムロンを使ってきた発電所のみ」という狭い枠組みにしたのはまさにそこで、そこしかメンテ修理したくないからでしょうね。
監視装置はエコめがね限定でしょうし責任分解がほぼ不要。
それに対し、一般の発電所のメンテナンスはまず原因の9名から入ります。
パネル、コネクタ、集電端子、パワコン回路、ACDC変換、交流側
メーカーが自社で分析するならここはかなり楽ですね。
あとは12年間で200万円というコストをどう評価するかですね。
「パワコンメーカーだからできる」と書いてますが、本当は逆で、パワコンメーカーがやるからスゴイんですよね。電機メーカーが全国の発電所を相手に保守体制を構築してサービス化するのは至難の業!
その点で言えば、オムロンは程度全国体制の地盤があるので、いくらかハードルを下げられたかも知れません。
辛口な見方をすると、保守体制に関してはあまり踏み込んでいない印象を受けました。レンタル+動産保険で、ちょっとお茶を濁したような感じです。元々オムロンはメーカー直接修理受付に消極的だったうえ、遠隔で故障判定できるほど高度な監視データも扱っていないので、「貸し出す」「金は出す」ってところに落ち着いたんじゃないかなと。実際の運用だと、故障かどうかグレーゾーンなところが一番メンドウですから。。
何にせよ、メーカーがこの領域に踏み込んでくると、保守を生業とする企業にも影響がありますね。仕組みは要チェックです。せっかく保守会社が故障特定したのに、交換工賃をメーカーに持って行かれるなんて事が無ければ良いですが。