過積載というのはパワコンの定格出力以上の太陽電池をつなぎこむ技法のことを言うようです。面白い言い方ですが、こういう言い方はここ1-2年ぐらい前から使われるようになったと思います。
太陽光発電所は50kW未満であればあまりうるさい法律の規制を受けず、また簡単な低圧連系できるので、ギリギリ50kWで多くの発電所が作られました。
50kWというのは電力会社から見て50kWであれば良いわけで、パワコンの出力が50kWであれば、太陽電池が何kWであっても50kWになってしまいます。そこで「過積載」にして太陽電池を少し多めにすると、トータルで得になることが分かってきました。これを利用し、FITの買い取り価格が下がってくると「過積載」で対抗する傾向が強くなっています。
過積載についての技術的な内容は、あちこちで説明されていると思いますので、ここでは省略させてもらいます。
結局、過積載は日本の法律の制約から生まれた方法とも言えるわけですが・・・、
良く考えてみると、むしろ過積載の方が本来あるべき姿ではないかと思うようになりました。
今の系統連系の太陽光発電は、「最大電力追尾(MPPT)」を用い、発電した電気を全部系統に送り込むという方法で売電しています。ニーズが有る無しにかかわらず、「発電したものをすべて買え」というやり方ですから随分荒っぽいですね。系統側にしてみれば迷惑な話です。
MPPTというのは、太陽電池がとても高かった頃に、「発電した電気を最大限活かす」という考え方から生み出されました。MPPTを使っていると、日射の変化に従って出力も変化してしまいます。面倒な電力です。
過積載が使われるようになったのは、前述のように日本の法律の制約のせいもありますが、太陽電池が安くなり、発電した電気を少々無駄にしても問題ない状況になってきたことも理由として挙げられます。
過積載の割合が2割程度ですと、単に太陽電池の熱ロスをカバーする程度なのでほとんどMPPTそのままの出力を系統に送り込むことになります。しかし、過積載の割合が4割、5割と増えてくるとピーク時は頭打ちとなり50kWに抑え込まれてしまいます。そのかわり、その間は日射が少々弱くなっても出力は50kWをキープできます。
せめて売り物としてはこの程度の安定化は必要じゃないでしょうか。できれば2-3倍ぐらいの過積載にしてもっと出力を安定化して売った方が良いのでしょうが、今の太陽電池のコストではちょっと無理ですね。
理想を言えばバッテリーを入れ、お客さんの望む形で電気を売るのが本来の形なのでしょう。太陽電池のコストはまだまだ下がっているようなので、そういうことも将来は可能になってくると思います。
太陽光発電の形はまだまだ変わるでしょうね。MPPTの出力をそのまま系統に送り出すなんて、昔の遺物と言われるようになるかもしれません。
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