カネカが太陽電池の変換効率で世界最高の26.33%を達成しました(NEDO:結晶シリコン太陽電池で世界最高変換効率26.33%)。太陽電池の変換効率については世界中のメーカーや研究所が競争している中で、まずは歓迎すべき話ですね。
世界最高を達成した太陽電池はヘテロ接合とバックコンタクトを組み合わせたものです。ヘテロ接合はサンヨー(パナソニック)が開発したHITの技術で日本独自のものです。バックコンタクトは日本の技術ではありませんが、昨日書きました「新聞紙より薄い太陽電池」でも使われていましたように、世界に普及しつつある技術です。
世界最高を達成したカネカは1980年代のサンシャインの時からアモルファス太陽電池の技術開発に参加し技術を蓄積していました。ここで使われているヘテロ接合とは、結晶シリコンとアモルファスシリコンという異種(ヘテロ)の層を重ねる(接合)技術ですが、アモルファスは微妙な材料で、簡単にはコピーできないノウハウが必要なところがあります。カネカではこれまでの蓄積があったので、今回の成果につながったと思います。もちろん本家のパナソニックも同等の技術を持っているでしょうから、また逆転してくるかもしれません。
180cm2とほぼ実用サイズのセルでこの効率を達成していますので、モジュール化しても20%以上の変換効率を実現できるだろうと思います。もちろん、コストや歩留まりなど解決しなければならない問題が残っているのでしょうけれど、早くこのような高効率の太陽電池が世に出てきてほしいですね。
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