コミュニティソーラーというのは一般的な概念でなく、私がガーナ、ケニアプロジェクトの時に導入したシステムに勝手に名前を付けたものです。
簡単に言うと、太陽光発電システムで充電サービスを行い、その売り上げをコミュニティの活動を強化するために使うというものです。従来のプロジェクトは太陽光発電を電化の目的だけに使っていましたが、コミュニティソーラーはビジネス要素を加えたことが特徴となっています。
太陽光発電充電所の概念
充電サービスと言ってもほとんどは携帯電話の充電です。途上国の地方でも携帯電話はかなり普及しています。無電化地域であってもどこか見通しの良いところに行けば電波は来ていることが多く、受信をメインに使っていれば電話代はほとんどかかりません。しかし、問題は充電です。
このためにディーゼル発電機で携帯電話充電サービスをする人もいましたが、燃料の確保が面倒なのと、ディーゼル発電機の品質が悪いのか操作方法が悪いのか携帯電話を壊すことが良くあるそうです。従って太陽電池で充電サービスを行うというのは結構喜ばれました。
コミュニティソーラーを始めた初めの頃は1回の充電で50円ほどとれました。1日に20-30台の充電ができるので、途上国の地方の人にとっては驚くほどの収入が得られます(途上国の地方の人は本当に1日に100-200円で暮らしています)。喜ぶわけです。
さて、JICAのプロジェクトなので充電サービスえられた収益を公共の目的に使わなければなりません。初めにコミュニティの活動強化のために使うと書きましたが、私のプロジェクトではそれをコミュニティの公共施設に設置した太陽光発電のバッテリー交換に使うことにしていました。
途上国で使われる太陽光発電は独立型でバッテリーを使っているわけですが、バッテリーの寿命が短く、2-3年で交換しなければなりません。しかし、バッテリーは結構高く、交換できないまま使われなくなるというのが太陽光発電の弱点でした。このバッテリー交換のために充電の売り上げを使うというものです。
とにかく金銭収入が得られるので、彼らも熱心に取り組んでいたようです。少なくともプロジェクト期間の間は・・・。ただ、バッテリーの寿命が来るのは2-3年後のことで、その前にプロジェクトは終わってしまいます。本当にバッテリー交換を行ったかどうかまでは確認できていません。
収入の管理の仕方なども教えてはいるのですが、本当に何年もの間、きちんと預金して管理しているのかどうか。途中で適当に別のことに使っている可能性もあります。途上国プロジェクトはこの辺りが本当に難しいのです。
設置された太陽光発電充電所
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