スネイルトレイルによる劣化?

(カテゴリ: 太陽光発電の保守)

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今、私が関心を持ってモニタリングしている例を取り上げます。

これは低圧連系で6つに分割された太陽光発電所で、各発電所のデータをモニタできるようになっています。設置後約1年半で、現地に行った時に少しスネイルトレイルが発生していることに気がつきました。なかでも集中的に発生している発電所があり、気になってその発電所のデータを特によく見るようにしています。

 

モニタリングでは6か所の発電所の1日の発電量を見ているわけですが、そのうち一番成績の良い発電所の発電量に対する、スネイルトレイルの多かった発電所の発電量の比をとってグラフにしています。下がそのグラフです。

スネイルトレイルグラフ

僅かな変化ですがお判りでしょうか。グラフの初めの両者の比は1ですが、右の方に行くと0.96 – 0.97 になっています。つまり1年半で2 – 3 %低下しているように見えます。

 

一般的にSi太陽電池の劣化は年率で0.5%程度と言われているようですが、これはそれを大幅に上回っているようです。

 

今の時点ではこの原因がスネイルトレイルだと断定はできません。あくまで可能性の一つです。ここの発電所では過電圧による抑制が時々働くので、電圧の調整をたびたび行っているようです。また、各発電所のパワコンから連系点までの距離にバラつきがあるので、抑制の働き方も複雑です。誤差要因がいろいろあるので、2 – 3 %の変化に対して断定的なことは言えません。ただ、これだけジワーッと変化しているのは劣化の可能性が高いのではという気がしています。

 

もし劣化だとすると、発電所全体(50kW)で2 – 3 %劣化しているということは、何百枚もあるパネルの中には1割以上劣化しているものがあるかもしれません。それを見つけるのはかなり大変でしょう。

 

取りあえずここは引き続きモニタリングを継続するだけの対応にとどめていますが、関心をもってモニタリングしています。

 

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