PVビジネスセミナーで印象的であったソーラーシェアリングの講演について少し書き留めます。昨日も触れましたように、講演者はソーラーシェアリングの創始者である長島氏であったので、ソーラーシェアリングを始めたきっかけのようなところは説得力がありました。
長島氏はソーラーを進めたいと思っていたものの、ソーラーにも土地確保やメンテの課題があり、より良い方法はないかと思っていたそうです。そういう時に「植物が光合成するのに必要な日射に飽和点がある」ということを知り、調べてみると多くの植物で太陽光を100%当てなくても良いことが判り、パネルで影を作る農業が可能と思ったそうです。
実際にいろいろな植物で少し影を作って育ててみると、ほとんどの植物で生育は変わらず、逆に日陰の方が生育が良かった例も結構あったそうです。考えてみれば、動物や人間は強い直射日光を嫌う方が普通ですが、植物も例外ではないようです。日陰の方が良く育つ例を見て、長島氏は大いに勇気づけられたようです。
長島氏が推奨しているパネルの設置は遮蔽率を3分の1程度にする方法。よく見られる細いパネルを使う方法ですね。これぐらいの遮光が植物に良いだけでなく雨の偏りも少なく、更に風圧荷重が大幅に減るので畑のような地盤の弱いところに設置しても十分耐風圧強度を保てるそうです。
また、パネルの下で農業をやっていると毎日パネルを監視しているようなもので、メンテやトラブル対応を行いやすいという利点もあります。何より、土地の確保が容易ですね、但し、これは農業を営んでいる人にとってと言うことになります。
多分、実際にはいろいろ問題もあるのでしょうが、取りあえずは良いことづくめのように聞こえます。
長島氏はソーラーシェアリングは農業に前向きに取り組もうとしている人に勧める方が良いと言っていました。ソーラーシェアリングを進めようとしても、抵抗勢力もあり、前向きに取り組む力が無いとうまく行かないこともあるようです。この辺りが今の問題点なのかもしれません。
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