太陽光発電のように勝手に変動する電源はバッテリーなどで安定化させないとうまく使えません。系統連系の場合は、系統がバックアップとなるのでバッテリーを必要とはしませんが、それだけ系統に負担を与えるのであまり望ましくはありません。そういうことから、いずれ太陽光発電にはバッテリーのシステムが重視されてくるだろうと見ています。多分、業界も同じような考え方で、例えば「太陽光の大量導入で大型蓄電池市場が離陸へ」にはTMEICの製品を使ってバッテリー制御に取り組む例が紹介されています。
この記事を読みこなすのは大変ですが、高いバッテリーをうまく使う工夫が説明されているようです。
バッテリーについては昨年、テスラー社が従来より大幅に低価格のバッテリーパックを出したことで話題になりました。その時に少し試算してみて、通常の電源として使うには更に半額ぐらいにしないといけないなと感じていました。従って、バッテリーはまだ高いという印象を持っています。上記の例では、バッテリーを共有してコストシェアするという工夫をしているようです。確かにそういう工夫はあるでしょうね。
私は、「バッテリーを使いこなすのは難しそうだ」という印象を持っています。利用環境によって特性が変化し、需要と供給のバランスをとるのも難しそうで、また寿命があまり長くないという問題もあります。寿命については「“へたり具合”、使いながら判る診断技術が登場」という記事が最近ありました。いろいろ工夫しているようです。
しかし、「使いこなすのが難しそう」というのは逆にノウハウを蓄積すると売り物になるのではないかと言う期待も持っています。太陽光発電については、太陽電池があまり付加価値が無く、あっという間に中国などに追いつかれてしまいましたので、少し寂しい思いをしていました。それからはスマートグリッドのようにシステム全体を開発するようなソフト系の技術の方がノウハウが高くて、技術力が発揮できるのではという期待をするようになりました。
バッテリーについても同じような見方で期待しています。ここで紹介したものは業界などの工夫のほんの一部で、多くの人が同じような努力をしていると思います。工夫を重ねることを日本人は得意なのではと私は勝手に思っているのですが、バッテリー利用と言うのはそういう努力が必要な気がして、この努力が蓄積されていくことにより日本の技術力が向上し、国際競争力を高めてくれるのではと期待しています。
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