この記事(メガソーラーに役立つ打出の小槌)で紹介されているのはニプロンのマキシマイザーと言われるものです。記事によれば、メガソーラーの建設コストを引き下げられる上に、発電量を増やせ、更に運用コストを下げられるようです。ただし、これは同社の宣伝用の記事なので少し割り引いて読まなければなりませんが、有効な道具であることは確かだと思います。
メガソーラーでなくても利用できるのですが、発電所が小さいとマキシマイザーに掛かるコストが相対的に大きくなってしまうので、収益性が悪くなってしまいます。メガソーラーだと機器の相対コストが小さくなるうえに、保守の手間が大幅に緩和されるので導入価値は高いでしょう。
少し内容を見てみますと、ストリング毎にマキシマイザーを設置して出力を制御しています。二つのストリングを合わせて出力を最大化して一つの出力にするらしく、ストリング間のバラつきによるロスを少しは緩和できると思います。
TIGOエナジーのマキシマイザーも同じような機能を持っています。TIGOの方はモジュール毎に制御していますのでもっと細かいことができるでしょう。ニプロンの方はストリング毎なので、出力の最大化と言う点ではTIGOより少し粗くなり、 マルチストリングのパワコンを使うのとあまり効果は変わらないかも知れません。
むしろ有効なのはストリング毎の出力がモニタできる点です。メガソーラーの規模になるとストリングの一つや二つ出力が落ちても全体の出力を見ているだけでは1%の変化にもならず、見つけるのは至難の業です。しかし、ニプロンやTIGOのマキシマイザーで管理していれば容易に見つけることができます。
ニプロンの特徴はオンラインのまま、各ストリングのIVカーブを測定できる点です。これにより、おかしいと思ったストリングの詳細診断が可能になります。これにはIVカーブを読む能力が必要とされますが、慣れると強力なツールになると思います。まぁそれに、メガソーラーを運転する人たちはIVカーブぐらい読めるようになって欲しいですしね。
私のように50kWの低圧連系の発電所ではちょっと使えないですが、メガソーラークラスになればこんなものが使えるので良いですね。
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