独立型太陽光発電システムではバッテリーが使われています。バッテリーというのは結構厄介な代物で、充放電も気を付けて行わなければなりません。このために普通はコントローラを介して充放電を行います。コントローラ無にバッテリーを使う例もあるようですが、すぐにバッテリーをダメにしてしまうのでやめた方が良いでしょう。
コントローラの機能はバッテリーの種類によって変わりますが、ここでは鉛バッテリーのコントローラについて書いていきます。
まず充電についてですが、鉛バッテリーではバッテリーの容量以上に充電しようとしても充電できずに、中の溶液が分解されて水素が発生するばかりになります(これを過充電と言います)。密閉型のバッテリーですと水素で内圧が上がり、しまいには破裂してしまいます。密閉型でなければ水素は抜けていきますが、同時に水分も蒸発していくので、溶液不足となりバッテリーを劣化させてしまいます。
これを防止するため(過充電防止)、コントローラではある一定の電圧以上では充電を停止するようになっています。ふつうの鉛バッテリーでは14.2-14.3Vぐらいで充電を停止していたと思います。
次に放電についてですが、鉛バッテリーは充電時には電極の鉛がイオンになって溶液に溶けて電気を貯め、放電時にはそのイオンが電極に戻って電気を出していきます。電極に戻った鉛は表面に付着しますが、この状態ではあまり安定ではありません。すぐに充電して鉛を溶液に溶かしている方がバッテリーは安定なようです。放電しすぎると表面が不安定な鉛で覆われ、充電しにくくなってきます(これを過放電と言います)。表面に付着している鉛は放っておくと変質して高抵抗化することがあります(これをサルフェーションと言います)。そうなるともうそのバッテリーは使えません。
これを防止するために(過放電防止)、コントローラではある一定の電圧以下では放電を停止するようになっています。過放電防止電圧は10.5-11.0Vぐらいだったと思います。
コントローラの主な機能はこのような過充電・過放電防止ですが、近年ではこれ以外に均等充電やパルス充電など、よりうまくバッテリーを充電できるような機能が追加されるようになってきています。
また、太陽光発電用のコントローラでは一定の時間だけ負荷をオンにする機能をつけて、例えば常夜灯などにそのまま使えるようにしたものもあります。
コントローラとして最も有名なのはモーニングスターです。Webを探せば簡単に見つかります。ふつうコントローラの仕様は電圧と電流で決まります。日本の会社もコントローラを出しているようですが、あまり使われていません。所詮、小さなマーケットなので、日本の会社は興味をもっていないのでしょう。
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