プレジデントが太陽光の批判記事を書いています(金持ちだけが得した“太陽光バブル”のツケ)。内容はこれまで言われてきたようなことが書かれているだけなのですが、「金持ち」「バブル」などの言葉で人目を引いています。確かに太陽光は金持ちのバブルだった面がありますから、文句を言えないです。
私がちょっと気に入らないのは、この記事を普通の人が読むと、FIT制度そのものが悪いような印象を受ける点です。私は、FIT制度そのものは悪いとは思っていません。ただ、日本のFITでは最初の買取り価格が高すぎたことが問題でした。この結果、FIT太陽光事業は内容をよく知らなくても簡単に利益を出せる事業となって、金儲けに目敏い人たちの餌食となってしまいました。こういう人達の仕事には、いい加減なものが多いです。
制度に欠陥があったことも確かです。経産省も努力して改正してきましたが、バブルの勢いに負けてしまいましたね。ようやく、何とか収まってきたものの、そのツケは残っています。ツケが残っている間は、この記事のように悪口を言われてしまうのでしょう。太陽光普及促進派は我慢して、再エネ普及に前向きに取り組んでいかなければなりませんね。
ところで、この記事の最後でパネル廃棄の問題に触れています。事業用FITの買取り期間が終わり始める2040年あたりから、パネル廃棄の問題が起こる恐れがあるという話です。念のために指摘しておきますが、FIT買取り価格には将来の廃棄費用も含まれていますので、発電事業者はそれを積み立てて、最後に積み立てたお金で廃棄処理をする義務があります。
廃棄処理については既に技術的にいろいろ開発され、資金も上述のように確保されていますので、本来なら問題ないはずです。しかし、金儲けだけが目的で太陽光をやっている人たちは、そんなことを知らず、最後に発電所を放置してしまうかもしれません。そうすると、パネルが放置されるだけでなく、支払われた廃棄処理費用がネコババされることになります。それをどうやって避けるかというのが課題です。
記事でも、そこまで指摘して欲しかったなぁ。
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