セルを直列に接続した時の話をします。
この話は少し複雑になるかもしれません。面倒な人は読み飛ばして頂いてかまいません。
前の時と同じように、後で結論をまとめようと思っています。
要は、結論を知っていれば十分なので・・・
さて、
普通の太陽電池は、セルと呼ばれる15cm角ほどの薄い板が最小単位で、これをつなぎ合わせていきます。ほとんどの場合、直列につなぎ合わせています。
よく使われる200数十Wの太陽電池モジュールは、セルを直列に60枚つなぎ合わせています。
セル1枚当たりの電圧は約0.5V、電流は8Aほどなので、1枚の太陽電池出力は約4W (電圧と電流を掛けます)、60枚で200数十Wとなるわけです。
直列なので電圧は60倍の約30Vとなり、電流は8Aほどのままです。
さて、これをIVカーブで見てみたいと思います。
例えばセルを4つ直列にする場合、直列なのですべてのセルを流れる電流は同じです。
従って下の上側の図のように、各セルのIVカーブを同じ電流値 i での電圧値 V1 ,V2 ,V3 ,V4 を足したものが、直列接続した下側の図のIVカーブで電流 i の時の電圧値 V1 +V2+,V3+V4 になります。
要するに4つ直列でのIVカーブは各セルのIVカーブを横に加えたものです。
さて、上記のように各セルの特性がそろっていると、違和感なく直列接続のIV特性が理解できると思います。しかし特性が揃っていないと少し話が複雑になります。下の例で考えます。
下図のように一番左のセルの特性が悪く、電流が他のものに比べて少ないとします。
電流は縦軸なので、電流が少ないということはIVカーブの縦方向が縮んでいるということになります。(この図では説明しやすくするために大げさにIVカーブを歪ませていますが、このように歪んだセルは製造不良時に見られます。)
直列なのでやはり同じ電流値の電圧を足すことで、全体のIVカーブが得られます。しかし図を見て分かるように、この場合はV1が電圧のマイナスの領域に来ています。
従って、この場合の電圧はV2+V3+V4 からV1 減じたものになります。
図の実線が直列接続した時のIVカーブになります。全体の電流も電流の少ないセルのために少なくなります。
済みません。
もう少し話を進めたいのですが、原稿サイズを超えそうなのでいったん中断します。
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