電気が安定的に供給されるためには、発電所の安定運転と共に送配電、いわゆる系統の安定運用も必要です。この系統の経費はこれまで小売り業者が負担してきたようですが、これを発電業者も負担するように制度を見直す方針が発表されました(発電事業者に系統費用の負担を義務化、再エネ電源も対象に)。
話は少しややこしいですね。本来、事業に必要な経費は料金に反映され、受益者、すなわち電気の需要家が負担することになる筈です。ただ、電気のような公益事業は安全問題もあるので、政府で規制して運営されています。また電力はかつて大手電力が独占して事業を行っていましたが、最近の自由化や分離で事業の境界が複雑になっています。このような問題が絡むので系統経費の負担方法が難しくなっているのでしょう。
そこに系統経費の増大と言う問題が起こってきたようです。今は系統経費を小売り業者が負担しているらしいですが、電力自由化で小売りの競争も激しくなっているでしょうから、料金値上げも難しいでしょうね。一方で、FITのお蔭で大量に参入した発電業者が系統費用に知らぬ顔で電気を送ってくると不満も生じるでしょう。
確かに発電業者も必要なコストは負担しなければならないのですが、コストを内部で吸収しきれない場合は料金に反映することになります。ところがFITは20年の「固定価格買い取り」なので、料金を変えることができません。後になって「系統費用を追加で負担しろ」と言われても困りますね。そういうことから、既にFIT契約を結んでいる発電事業者と、これからFIT契約を結んで発電を行う事業者とは負担割合を変えるようです。
ま、そりゃそうでしょう。どれぐらいの負担割合になるかが気になりますが・・・。
系統費用の負担は発電能力のkWに応じて決まるようです。2020年の前半には導入したいそうなので、2年後には負担が始まることになりそうです。
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