まず、今回の成果報告会の全体的な印象ですが、太陽光発電の普及が現実的になってきた影響か、研究内容も現実的になってきたなと言う感じがしました。このため、画期的な研究報告と言うより地味な内容の、太陽電池の劣化や信頼性向上、低コスト化、評価方法などの報告が多かったように思います。報告内容は報告会参加者にはCDが配布されましたが、AISTのHPからダウンロードできます(配布資料)。
産総研の太陽光発電研究は筑波だけでなく福島や九州にもあり、そこからの成果もありました。先日福島の成果報告に行ってきましたので(福島再生可能エネルギー研究所の成果報告会に行ってきました)、今回の報告会では一部はかぶっていました。福島や九州にまで行かなくても、基本的にこちらのAISTの成果報告を聞けば全体概要が判ると思います。
今回の成果報告会では研究成果報告だけでなく、招待講演(資源総合システム、一木修)やチュートリアル(産総研、柴田肇)がありました。新しい試みとも言えますが、それだけ目ぼしい成果が無くなっているのでしょうかね。ただ、福島産総研などは企業とのコラボに力を入れていて、地味ではあってもその成果が結構あるので、ポスターセッションの数は98件と例年よりかなり多くなっていました。
太陽電池についてはCIGSとペロブスカイトの話が多かったように思います。劣化についてはやはりPIDについての解析報告が多かったでしょうか。またPERCなどのシリコン太陽電池について、福島産総研がセル技術を立ち上げ中で、まだ世界最高には達していませんが、かなり最先端に近づいた状況が報告されていました。筑波と九州の産総研ではモジュールの長期暴露試験の経過報告があり、これは我々のような利用者には参考になりました。
個別の発表内容で印象に残ったものがありますので、それは明日以降にアップします。
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