送電線ガラガラ問題のその後

昨年末、京大の安田先生が東北電力のデータをもとに「送電線には余裕があるのに電力会社は受け入れ枠が満杯だとして再エネの接続を拒んでいるのは問題」と指摘し、大きな反響を呼びました。ネット上では今でも話題になったりしていますが、一方で、エネ庁や電力会社はこの問題解決に取り組んでいたようです。最近になって東北電力が風力の受け入れを拡大するというニュースがありました(東北電、風力受け入れ拡大 コネクト&マネージ 接続容量最大6割増)。

コネクトマネージ

コネクト&マネージというのは、取りあえず再エネなどの追加接続を受け入れ(コネクト)、その上でどう処理するか考える(マネージ)という方法です。欧州などでは既にこの考え方が主流で、安田先生もこの方式なら日本でももっと接続受け入れが拡大すると指摘していました。

 

 

実際に東北電力でコネクト&マネージを取り入れてみると、最大6割も受け入れ枠が増大したようです。今回の見直しでは、まず風力の接続を受け入れて(コネクト)、緊急時などで送電線の余裕がなくなる時には再エネの発電を停止してもらうという条件を付けた(マネージ)ようです。今回は風力の接続に対してでしたが、今後の再エネなどの接続枠も大きくなっていくだろうと思います。取りあえず一安心ですね。

 

この「送電線ガラガラ」問題で、私が昨年からの議論を見ていて感じたのは、大騒ぎしているのは部外者が多いということですね。特にネット上の議論はそうでした。本人はあまり知識が無いのに、「送電線ガラガラなどと言うのは素人考えで話にならない」というような主張をする人が多く見受けられました。しかし、その裏でエネ庁や電力会社が前向きに解決に望んでいたことは評価すべきだと思います。

 

ホントにネット上の議論はあてにならないですね。

 

ネット上の議論を見ていてもう一つ気がついたことは、しっかりとしたバックデータに基づかない意見はあてにならないということです。過激な議論はほとんど部分的で表面的な事象だけを取り上げたものだったり、感情論だったりしています。これは反面教師と捉えて、自分が意見を表明する時はしっかりとしたデータに基づいていかなければならないなとつくづく感じました。

 

 

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