パナソニックがHIT構造で世界最高のモジュール効率23.8%を出したましたが、HIT構造とはパナソニック独自のもので、他の会社ではほとんど使っていません。これまで高効率の太陽電池はPERC(Passivated Emitter and Rear Contact)という技術を使ったものでした。
私が太陽電池の研究に従事していた頃にはPERCなんてなかったので、あまり詳しくありませんが、ざっと言うと保護膜を使って太陽電池表面のロスを少なくする技術のようです。まぁ、技術の内容を知らなくても利用する上では殆んど問題はありません。単に、PERCやHITの技術を使っている電池は技術的に進んでいるという判断材料に使えるぐらいです。
先週、PV EXPOを見ていたら、結構、PERCを使っているメーカーが多いことが判りました。三菱電機もPERCを使っていたのですね。他にもTrinaやCanadian Solar、Winaicoなども使っていました。世の中は新しいタイプの太陽電池に移行してきているのですね。三菱電機のPERCについては報道でも確認できました。
HITが出てきたのは20年以上も前なので、基本特許は切れていると思うのですが、HITに必須のアモルファスを使いこなすのが難しいのか、他のメーカーで(長州産業は除きます)HITをやるところは出てきていません。一方、PERCが出てきた時期はHITと同じ頃だったと思いますが、技術戦略の差かPERCばかり広がっているようです。その結果、パナソニックだけがHITで対抗しているという構図になっています。
PERC対HITという構図はなかなか面白くて、昨年も「PERCはHITのライバルかな」というブログを書きましたが、こんなにPERCが広がっているとは知りませんでした。あの大人しい三菱電機もいつの間にかPERCを導入していたし・・・
日本の技術に頑張って欲しいと思いますが、日本のメーカーにも頑張って欲しいので、ちょっと複雑な気もします。
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