前回、太陽光発電業界は「不況業種」入りかと言う記事を紹介しましたが、一方で、JPEA (太陽光発電協会)はPVJapan2016で題記のような力強い発言をしています(太陽光発電は終わらない、JPEAが示す3つの成長エンジン)。3つの成長エンジンとは「改正FIT法」「電力システム改革」「パリ協定(COP21)」ということです。
最初の「改正FIT法」と言うのは、これまでのFIT法は不完全でしかも太陽光を優遇しすぎた面もあり、世の中の批判もあったので、それを是正するものです。従って太陽光発電の普及促進と言うより、より現実的な普及にしていくことが狙いという感じがします。結果的には今よりも速度は落ちるにせよ、息長く普及していくことが期待できるかなと言う気がします。
次の「電力システム改革」と言うのは難解で、私には太陽光発電普及との関連がよく掴めません(笑)。多分、電力事業自由化の一環で、太陽光発電が電力市場により参入しやすくなるのだろうと思います。ただ、そのためには太陽光発電の市場競争力も必要となり、更に低価格で出力安定化などの問題も解決される必要があるでしょう。要するに競争力さえあればどんどん普及できる地盤ができるのでしょう。
最後の「COP21」は確かに再生可能エネルギー普及の推進力になるでしょう。原子力もCO2対策には有効と言われていますが、廃燃料処理や廃炉処理の問題が未解決ですからこれ以上増やしていくのには無理があります。結局、再生可能エネルギーに頼るしか仕方がないので、何らかの導入策や優遇策が今後も継続されることが期待できます。
このように3つのエンジンと言うのは確かに太陽光発電普及にはなりますが、いずれを見てもこれまでのような爆発的な普及ではなく、ペースダウンして普及を持続させる方向のように思います。このためJPEAでは今後の普及見込みについて、次のような図を示しています。
この図を見ると2022までは導入量は減少して、その後はゆっくりとしたペースで拡大するストーリーが示されています。
これぐらいのペースが妥当な気がします。 「太陽光発電は終わらない!」と言うのは、ペースを落として持続的に普及するという意味で正しい表現なのでしょう。
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