昨日のブログで、雑誌「光発電」に投稿されている英弘精機の記事に、「太陽光発電所の評価をするのには効率を計算すると良い」と記載されていることを紹介しました。確かにそうなのですが、ちょっと厄介なところもあると私は指摘していました。
その理由はやはり金がかかるということです。ただし、これは低圧の太陽光発電所(50kW未満)についての話です。メガソーラークラスならコスト的にそれほど問題にならないと思います。
まずコストの話の前に、発電所の効率とはどのようなものか説明しておきます。
効率を知るためには日射量(kWh/m2)を測定しておく必要があります。測定された日射量に定格を掛けたものがほぼ効率100%の時の発電量です。実際の発電量は熱やその他のロスがあるので効率は100%以下になります。逆に、実際の発電量を日射量と定格を掛けたもので割ったものが効率になります。
英弘精機はこの日射量を知るための日射センサーを販売しています。従って、当然、日射センサーを使おうとするでしょう。この日射センサー、安いもので10万円、高いものはその何倍もします。また、遠隔監視装置で日射センサーが接続できるものは限定され、更にコストアップ要因になります。
全体で1000万円ほどの設備にその程度の追加投資ぐらいと思われるかもしれませんが、馬鹿になりません。もっと安いセンサーがあるかもしれませんが、そういうものは太陽電池より早く劣化する恐れがあります。そもそも低圧太陽光発電所のオーナーはコストに厳しく、遠隔監視も導入しない人が多くいます。私は遠隔監視装置はつけていますが、日射センサーはつけていません(笑)。低圧太陽光発電所で日射センサーを付けているところはほとんど無いと思います。
まぁ、低圧発電所であれば日射センサーはもちろん遠隔監視も無しが多く、検針票と見回りだけで保守しているのでしょう。遠隔監視ぐらいは付けた方が良いと思いますが・・・。
私がいつも指摘しているように、発電所に遠隔監視をつけて、更に近くの太陽光発電所のデータを入手できれば、数%出力が低下してきたら見つけることができます。しかし、検針票だけだと1割以上低下してもなかなか見つけられないような気がします。
ただ、太陽光発電所はトラブルで1割以上出力が落ちることはあまり考えられないでしょうから、遠隔監視を付けてまで管理するかどうかはリスクとコストをどう考えるかの問題でしょうね。
で、
英弘精機の記事では日射センサーと遠隔監視を付けて効率を求めていますので、運転状況の正確な分析ができています。それについては次回紹介します。
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