過積載率と発電量増加率

前にPVビジネスセミナーで「過積載のロス率推定値」が報告されていて便利だと指摘しました(PVセミナーでの話題)。その時に、同じような計算は私の持っているデータでも確認できるなと気がつき、やってみました。その結果です。

 

計算は筑波発電所と鹿島発電所の2015年、2016年の発電データを使って行いました。まず結果を示します。下表です。計算は実際の発電量を過積載率分増加させ、パワコンの定格でカットした時の発電量を示しています。

過積載増加率

上の表では例えば過積載率が150%の時、筑波では2015年のデータでも2016年のデータでも発電量は147%になり、鹿島のデータでは2015年が146%、2016年が147%になることを示しています。一番右の欄はこれらの平均値となります。この結果は、前のセミナーで示されたロス率と同じようなものだろうと思います。

 

表からまず判ることは、過積載率150%まではほとんどロスが無いこと、場所や年次の違いが過積載の増加率にほとんど影響していないこと、ぐらいですかね。

 

計算結果の平均値(ave.)をグラフにしてみました。過積載率130%までは発電量は過積載率と同じように増え、そこから少しずつ増え方が少なくなります。過積載率200%で発電量のが176%ぐらいというのは得か損か微妙ですね。多分、過積載率200%でも発電所建設や運営コストは176%以内に収まると思いますから、過積載した方が得なのだろうと想像しています。150%ぐらいまでは過積載しないと損、と言う感じですね。このあたりが結論かな。

グラフ

 

なお、 上の計算は実際の発電所の1時間ごとの発電量データを使って計算しています。つまり、1時間発電量が例えば過積載率150%で1.5倍になった時にパワコン出力の1時間分を超えた場合、パワコン出力でカットします。しかし、1時間の発電量で計算していますので、その1時間内に一時的にパワコン出力を上回るようなことがあっても、1時間全体でパワコン出力の1時間分を超えていないような場合は、計算上カットされません。要するに、上の計算は実際より少し多めの値になっている可能性があります。多分、誤差の範囲内だろうと思いますが、あまり根拠はありません。

 

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