日本太陽エネルギー学会が主催する「太陽光発電の構造設計」セミナーに行ってきました。最近、架台が壊れたというニュースを良く聞くので、強度設計についてもう少し知識を持っておきたいと思ったからです。あいにくセミナーは学際的で(学会主催だからなぁ)物足りなかったのですが、気になったトピックを紹介します。
- まず、強風で架台が壊れたというニュースがよくありましたが、そこでの風速を調べると20m/sにも至っていなかったものが多くあるようです。本来なら37-38m/sぐらいの耐風速強度設計になっているはずなのですが、壊れた架台は強度設計をしてなかったのではないかと見られているようです。こんな架台、まだいっぱいあるのでしょうかねぇ。本当に困ったものです。
- 単管架台はよく見られますが、これらも強度設計してないのではないかと見られているようです。それでも強度があれば良いのですが、見るからに強度不足のものも見られるそうです。架台の強度を補強することは可能らしいですが、打ち込み基礎を強化するのは難しいと言っていました。単管架台は確かに多くありますが、補強工事をしてくれると思えないですねぇ。事故を起こさなければ良いのですが・・・。
- 架台の強度設計についてはまだまだデータが不足しているため発展途上の段階で、まず標準設計を示し、データ蓄積と共に改訂していく方針のようです。データ蓄積のためにいろいろな実験も行うらしいですが、気になったのは耐風速強度試験のために風洞を使うと言っていたこと。風洞を使っても実物大なら良いのですが、縮小サンプルで行うようなことを言っていたので、そんなこと可能なのか気になりました。縮小すると面積は二乗で効きますね。風速は縮小するのだろうか? 密度は影響しないか? この辺りが難しいので風洞実験は縮小で行わないと思っていました。しかし、発表していたのが風工学会の人なので何とかするのでしょうけれど・・・。
会場からは、強度設計と今年の改正FIT法との関連についての質問がありましたが、それは役所の方の問題で判りませんと言う答え。この答えは無いよなぁ。この辺りが最初に書いたように学際的で物足りなかった点です。多分、改正FIT法では技術基準に準拠することを義務付けているので、何か問題が起こった時に調べられて技術基準を満たしていないと認定取りを迫って補強させる、ということになるのでしょう。
怪しい架台はいっぱいありそうですが、どうなっていくでしょう。
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