大阪大学の家裕隆准教授らがアモルファスのポリマー太陽電池で高効率を達成したそうです(薄膜太陽電池の製造が簡単に、非晶質のポリマー材料を開発)。高効率と言っても9%台ですが、この手の太陽電池としては高効率のようです。同じくポリマー太陽電池でも結晶系が10%以上の効率を出しているので少し劣ることになるのですが、アモルファスは柔軟・軽量・低コスト化の可能性があるそうです。
アモルファスと聞くと私などはアモルファスSi太陽電池を思い浮かべます。アモルファスSi太陽電池も結晶Siに比べて効率は劣るものの柔軟・軽量・低コストの可能性があるとして随分持てはやされました。しかし、太陽光下で使うと光で劣化してしまうという太陽電池としては致命的な欠陥があり、実用化には至りませんでした。
アモルファスポリマーは光劣化しないのでしょうかね。
アモルファス材料として実用化されているものにアモルファス金属があります。アモルファスだと原子がランダムな方向に結合していますので、きちんと原子が並んだ結晶構造よりも機械的強度が増すため、強度が必要な用途に使われます。一方、アモルファスSiの場合は電気的性質が重要で、ランダムな方向に原子が結合していると電子状態が不安定になって光劣化したのかな、と私は思っています。そうだとすると、ポリマーの場合でもアモルファスだと光劣化するかもしれませんね。
ポリマー太陽電池というのは特殊な用途に使え面白そうですが、なかなか使えるものが出てきませんね。
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