送電線ガラガラ問題で有名になった安田教授は、発電の「外部コスト」についても問題提起しています。「外部コスト」とはコスト計算には含まれないけれど、環境などへの影響で負担することになるコストです。この問題について、ちょうど良くまとまった記事(京大安田教授が指摘する、枯渇性エネルギーにおける「外部コスト」とは)がありましたので紹介します。外部コストの説明は記事の方が判りやすいですね。
外部コストと言う考え方は既に国際的に使われているらしく、IPCCで2012年に計算された外部コストの比較図が記事に示されています(下図)。
これを見ると再生可能エネルギーは他電源より外部コストがずっと少ないですね(横軸は対数になっていますので、桁違いに再エネの外部コストが少ないことになります)。外部コストとして、環境や健康への悪影響を計算するのでこのような結果になるのでしょう。ただ、外部コストの内容をもう少し具体的に示して欲しかったなと言う気はします。
この図には含まれていませんが、原子力はどうなるのでしょう。原子力のコスト計算も不透明で判らないところが多いのですが、原子力が安いと言っても、廃燃料費用や廃炉処理費用は適切には取り扱われていないのではないかと思います。
要するに一口にコストと言っても、どうも内容がバラバラで、簡単には比較できない難しさがあります。京大の安田教授もその点を指摘して、透明でオープンにエネルギーのあり方を議論する必要があると言っています。その結果か、また電力自由化の影響か、最近は少しずつ電力の世界もオープンになってきているような気がします。ちょっと前進。
逆に、太陽光発電は海外に比べて高い日本のコスト体制を見直す必要がありますね。
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